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負けず嫌いの塊「自分にむかつく」!期待の20歳右腕、遠藤淳志とは

2019年10月18日

負けず嫌いの塊「自分にむかつく」!期待の20歳右腕、遠藤淳志とは

日南市・天福球場のブルペンに吹き込んでくる風も涼しく感じられるようになった10月。「みやざきフェニックス・リーグ」に参加している遠藤淳志は、ブルペンで投球練習を行っていた。

3回完全投球の翌日、フォームやバランス、力感を確認しながら1球1球丁寧に投げ込んでいた。優しく声をかける小林幹英二軍投手コーチとブルペン捕手の笑顔とは対照的に、マウンドの20歳はクスリともしない。表情には微笑みではなく、怒りがにじんでいるように映った。

「自分にむかつく」

約80球投げ込んだ右腕は額の汗を拭おうともせず、首を振った。

先発への強いこだわりがある

言われている内容は理解できている。納得もしている。どう動かさなければいけないのかも、分かっている。もちろん、うまくいくこともある。ただ、うまくいかないことの方が多い。頭と体が一致しない現状に、腹が立ってしょうがなかった。

高卒2年目の今年、6月に一軍に初昇格した。8月21日ヤクルト戦でプロ初勝利を手にし、3日後の24日中日戦では初セーブを挙げて球団最年少セーブ記録を更新した。

登板34試合はチーム6番目の数字。今村猛や一岡竜司といった実績組をも上回った。高卒2年目として、十分に評価できる数字を残しながらも、本人に満足感はない。

登板はすべて中継ぎ。先発への強いこだわりがある。「来年は先発で投げたい」と力強い。不満を感じているところが、遠藤らしい。そして、その感情を前に進むエネルギーとしている。

「みやざきフェニックス・リーグ」では広島は投手を先発と中継ぎの分業にするのではなく、参加投手に短い回を多く投げさせる3グループ制を取り入れている。先発希望の遠藤も登板は中2日か中3日で最長3回を予定。そこで球威回復と、安定して多くの球数を投げられる体力強化を目指している。

「もっと自分に厳しくできれば」

明確な目標を掲げているから、目先の結果に一喜一憂することはない。

「細かく高いレベルで、もっと自分に厳しくできれば。上の先発で投げるためにやっている。高いレベルで野球をやりたい」

強い意欲が練習の強度、吸収力を増幅させる。実戦登板翌日にはブルペンで100球近く投げ込み、ネットスローでフォーム確認。練習後には映像で確認するなど研究に余念がない。

力強い真っすぐに、ブレーキの効いたカーブを効果的に操り台頭した。ただ最大の武器は、強い精神力だろう。

見た目は童顔で色白。おとなしそうな印象も受けるが、負けず嫌いの塊のような性格。「子供のころからけんかっ早かった」と認める。小学生のときには学校に親が呼び出されたことも何度かあった。

強気な性格は投球スタイルだけでなく、向上心につながっている。

一軍昇格への飢餓感を持ち続けられるか?

成功を夢見て入団した選手でも、立ちはだかるプロの壁の高さに、自分の立ち位置を見失ってしまうこともある。一軍との距離感をはかれず「まずは体作り」「3年後、5年後には上がれるように」と、プロ入り前に掲げた高い目標を現実路線で知らぬ間に下方修正することもある。さらに二軍生活が長くなれば、定めた目標さえ、ぼやけて見えるように感じることも少なくない。

一方で若くして一軍デビューする選手の共通点は、入団して挫折を味わっても一軍昇格への飢餓感を持ち続けられているというところにある。それは即戦力の多い大卒でも、高卒でも同じ。二軍も歴としたプロ野球選手ではあるが、実際には一軍でプレーし、結果を残さなければ認められない世界だ。

広島では高校からプロ入りした会沢翼や今村猛、鈴木誠也らは1年目から「一軍に上がるためには……」と、明確な目的地を定めて進んで行った印象が強い。

日々の練習へと突き動かす原動力とは?

目的地が明確だからこそ、自分に足りないものも分かる。どれだけ成長しなければいけないかも分かる。それ故、悔しさを感じ、挫折を味わう。ときには劣等感すら感じるかも知れない。そういった感情が日々の練習へと突き動かす原動力となる。

遠藤は一昨年のドラフトで広島から5位で指名された。1位は2球団競合の末、広島入りした広陵の中村奨成。入団時は知名度も注目度も、立場もまったく違った。

ただ、新人合同自主トレから一定の評価を受けていた。力が抜けた無駄のないテークバックからのフォームや身のこなしに「おもしろい」という関係者は少なくなかった。

1年目は実戦が続く二軍ではなく、強化の位置づけとなる“三軍”で夏場まで鍛える広島流の指導法で、基礎体力強化や基礎練習の反復をしながらも、目的地は下方修正しなかった。

球に怒りを乗せるように

ケガの影響で秋季キャンプに参加できず、今年の春季キャンプは二軍スタートとなった。一方で同期で同学年、プライベートでも仲がいい山口翔は一軍スタート。生粋の負けず嫌いが燃えないわけがない。「キャンプ中の一軍合流を狙っている。開幕一軍も諦めたわけじゃない」。表情は穏やかだったが、目は真っすぐ前を向いていた。

有言実行で、春季キャンプ第3クールに一軍合流。紅白戦で1回無安打無失点と結果を残した。だが、一軍が沖縄へ移動した日、遠藤は二軍キャンプ地日南東光寺球場にいた。帯同させられる枠の問題もあり、同行することはできなかった。

二軍キャンプでシート打撃に登板したまだ19歳だった右腕は球に怒りを乗せたように捕手のミット音を響かせていた。キャンプ中のふるい落としは当然であり、一軍経験者の若い選手が二軍降格となるケースもよく見られる。そのときの表情はさまざま。すぐに受け入れる若手もいれば、遠藤のように悔しさを練習に向ける選手もいる。一軍に早期に上がるタイプは当然、後者だ。

悔しさは、人を強くする

あの日の悔しさがあったからこそ、6月の一軍昇格につながり、あの日から悔しさを練習にぶつけてきたからこそ、初勝利も初セーブも成し得ることができたのだろう。

悔しさは、人を強くする。

目的地までの道のりは平坦ではない。今年見てきた大きな背中、大瀬良大地やクリス・ジョンソン、床田寛樹など、すでに先発として実績を残す先輩投手もライバルとなる。

「すごい人たちばかりなので、その人たちを上回るような投球をしないと、確実に先発ローテーションに入ることはできないと思う。その人たちより、という気持ちで日々戦っていかないと。毎日戦いだと思っている。来季の開幕のときに(先発ローテに)自分の名前が入っていればいい」

目的地までの道のりの険しさにも、気持ちは折れない。より高い目的地が、20歳の心を突き動かしていく。

(※引用元 Number Web

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