◆広島紅白戦 白組2―7紅組(3日、宮崎・日南市天福球場)
佐々岡真司監督(52)の“初采配”で「いとしのレイラ」が躍動した。宮崎・日南秋季キャンプ2日目に監督就任後の初実戦となる紅白戦を行い、2017年育成ドラフト2位の藤井黎来(れいら)投手(20)=182センチ、92キロ=が好投した。
紅組の3番手として2回2安打1失点(自責0)ながら、力強い直球と落差の大きいフォークで西川ら1軍メンバーを翻弄。投球内容を指揮官に高評価された。
6回2死一、二塁。カウント1―1から藤井黎が投げたフォークが外角低めにストーンと落ちた。空振りした西川が「ウソだろ?」という表情でミットに収まった球を振り返る。
セ・リーグ6位の打率2割9分7厘をマークしたバットマンに臆することなく、次は内角直球で勝負。芯で捉えられたが力で勝って右飛に仕留めた。背番号121の育成右腕は「フォークはちょっと通じてるのかなと思ったりします」と遠慮気味に胸を張った。
「タケルさん(今村)や一岡さんのような中継ぎのフォークピッチャーにあこがれています」という20歳。プロでの最速は147キロで、この日も安定して142~4キロを投げられた直球の精度も非凡だ。1点ビハインドの5回から登板して、6回に4点の援護点をもらったことで、佐々岡政権初の“勝利投手”も転がり込んだ。
そんな指揮官も「真っすぐとフォークがいいという報告が(コーチ陣から)入っている中で、力をつけているなという感じはしました」。ルーキーイヤーの昨季は2軍投手コーチとして指導し、今キャンプで1軍に抜てきした“いとしのレイラ”にゾッコンだ。
黎来(れいら=NPBでの登録名は旧字体の「黎來」)という珍しい名前。両親に「黎明(れいめい)の『黎』は、時代の始まり(にふさわしい人)。『來』には人という文字が3つ入っているので、人がいっぱい集まるように」という意味で名づけられたという。
ロックバンド「デレク・アンド・ザ・ドミノス」時代のエリック・クラプトンの代表曲「いとしのレイラ」は「聞いたことないです。今度、YouTubeで聞いてみます」。約半世紀前の名曲は知らないが、レイラが令和のカープを背負って立つ。
(※引用元 スポーツ報知)