広島・赤松真人外野手(35)が8日、広島・廿日市市内の球団施設で契約交渉に臨み、900万円減となる年俸2700万円で更改。胃がんからの復活を目指す背番号「38」は感謝の言葉を述べた。
「ありがたいです。元気になっている姿をみせたいです」
2016年は代走、守備固めとして89試合に出場し、19打数7安打、12盗塁で25年ぶりのリーグ優勝に貢献したが、今季は1、2軍ともに出場なし。野球協約で定められた減額制限(25%)いっぱいでの契約更改だったものの、来季も現役としてプレーすることが決まった。
1球団で支配下登録選手は70人までと決まっている。
他球団では数カ月におよぶ病気、故障をした選手を育成契約に切り替えて治療に専念させるケースも見られるが、カープは赤松の姿勢を評価し、現役復帰をアシストしていく。
球団幹部は「彼と育成契約することは考えていなかった。球界でも前例のないことを成し遂げようとしている。病気を治して、復帰してもらいたい」と話す。
赤松は昨年12月に会見を開き胃がんを患っていることを公表。今年1月に手術で胃の半分を摘出し、約半年間の抗がん剤治療を経て、7月に3軍としてチームの練習に合流した。すでに守備練習や打撃練習などの練習を再開しており、復帰に向けて着実にステップアップしている。
37年ぶりのリーグ連覇を決めた9月18日の阪神戦(甲子園)ではグラウンドに登場し、胴上げに参加。両チームのファンから大きな歓声で迎えられて「複雑だけどうれしい。(復帰へ)頑張ることが恩返しになる」と元気をもらった。
抗がん剤治療の後遺症による手足のしびれもあるという赤松は、「体をしっかり戻すのが先決。2軍で結果を出し、しっかりと一軍で勝利に貢献できるように」と闘志を燃やす。来年2月の春季キャンプ参加を目指して“不屈の男”はリハビリを続ける。(柏村翔)
(※引用元 サンケイスポーツ)