もうすぐ2019年も終わりです。プロ野球界も本格的なオフシーズンに入りました。そんな中で大きな決断をした選手もいます。今回は、新たな挑戦の扉をたたいた“家族”のことを書きましょう。
皆さんもよくご存じのキク(菊池涼介)です。時としてビックリするようないじり方もしてきますが、そんなところも憎めないかわいい後輩です。
私とキクの関係性は、私が現役時代のお立ち台でのやりとりなどを見ていて、ファンの方もよくご存じかと思います。皆さんの前では私のことを「お兄ちゃん」なんて呼んだりもしていますが、陰で何を言っているか分からない(笑)。いじり倒しているかもしれません。
キクはすごく明るい、ムードメーカーです。グラウンド内のプレーではもちろん、そのほかのところでも、その言動でチームを支えてくれています。頭の回転も速いし、すごくいろいろなところを見ているんですよ。ああ見えて、すごく気を使い過ぎるというか、いろいろなところに心配りをしている。本当に面白くて、優しくて、かわいい後輩ですね。
彼の視野の広さは、何よりも守備に表れています。本当にいろいろなところが見えているし、いろいろな状況が頭に入っている。キクがカープに入団した当時(12年)、私は阪神にいましたが、「いいセカンドが入ってきたな」と思いましたし、15年からチームメートになると、あらためてすごいなと思わされました。
守備範囲にしろ、肩の強さにしろ、捕ってからの速さにしろ、送球の正確さにしろ……トータルで見たら、私がプロ野球選手として20年間やらせてもらって見てきた選手の中で「断トツ!」です。日々、キクのスーパープレーを見せられているので、当たり前になっている人も多いようですが、それはまったく違いますよ!
キクは守備だけでお金をもらえる、守備だけでお客さんを呼べる、数少ない選手です。
(※引用元 週刊ベースボール)