新型コロナウイルスの感染拡大の影響が日本から約1万3200キロ離れたドミニカ共和国まで広がっている。広島の人気通訳のヘンディ・クレート氏(36)が無念の表情を浮かべた。
「ドミニカ(共和国)への帰国が6月に延びました。残念ですが、仕方ない」
当初は4月に母国のカープアカデミーで投手コーチを務めるファン・フェリシアーノ氏との交代で一時帰国予定だったが滞在延期が決定。引き続きフランスア、メヒアらドミニカンのサポートを行う。
27日12時時点でドミニカ共和国の感染者数は581人。
日本の約1700人、米国の10万人超と比較すると感染拡大の押さえ込みに成功しているが、19日にはメディーナ大統領が国家非常事態宣言を行い、医療関係者など一部を除き、4月3日まで午後8時から午前6時までの夜間外出禁止を発令するなど、予断を許さない。
母国の首都サントドミンゴにサンタ夫人と3人の幼い子供を残すクレート氏は「心配だけど(感染者は)ちょっと。まだ大丈夫ですね」と安堵(あんど)するが、スマートフォンのニュースサイトで逐一、現地の情報を確認するなど心配は尽きない。
27日に阪神の藤浪晋太郎投手ら3人の感染が判明し、チームはさらに厳しい予防措置を講じている。
28日のマツダスタジアムでの練習再開日には鈴木球団本部長が練習前のミーティング室に選手、スタッフ全員を呼び集め、手洗いうがいの推奨、不要不急の外出禁止、体調不良など報告連絡相談を改めて注意喚起。
4月上旬に調整していた西日本に本拠地を置くNPB球団との対外試合を白紙に戻し、本拠地で紅白戦などを行う方針だ。
中国・武漢市で昨年12月に発生が報告された新型コロナウイルスはいまだ収束の気配を見せない。クレート氏だけでなく、日本に単身赴任中の外国人は心配な日々を過ごしている。(柏村翔)
(※引用元 サンケイスポーツ)