守護神を争う3人の助っ人の中で、唯一安定しているのが新加入のスコット。190センチの長身で、スリークオーターから繰り出される直球系は150キロを超え、打者の手元で動く。加えて切れ味抜群のスライダーで、プロ野球の一線級の打者にも空振りを連発させている。2月の春季キャンプから中継ぎ陣が思うような結果を残せない中、好投を続けている。
長髪をなびかせ、球界屈指のイケメン助っ人右腕はNPB初のアフリカ出身選手となった。11年のMLBドラフト5巡目でカブスに入団。その後はマイナーで経験を積んだ。マリナーズ在籍時の昨年6月に南アフリカ出身投手として初のメジャーデビュー。その後はオリオールズでもプレーし、メジャー通算は13試合に登板して0勝0敗、防御率14.33。マイナーでは通算248試合で40勝36敗、防御率3.86の成績を残してきた。
オープン戦では中継ぎとして6試合に登板し、2失点で防御率3.00とまずまずの成績を残した。3月21日の中日戦(マツダ広島)では8回のマウンドに上がり、平田、武田、高橋の上位打線をいずれもキレキレのスライダーで3者連続三振に封じた。「スライダーが良かった。切れもあった」。同24日ヤクルト戦(マツダ広島)でも廣岡から3球連続スライダーで空振り三振を奪い、無双ぶりを見せている。
新加入のD.ジョンソンは調子が上がらず二軍降格。昨季後半に守護神に定着した左腕のフランスアも、持ち味のスピードが出ず、二軍での再調整となっている。日本では類を見ない長身の横手投げの右腕が、今季広島の9回のマウンドに上がることになりそうだ。
(※引用元 週刊ベースボール)