6年目の塹江敦哉は自身初の開幕一軍入り目前に迫っている。ドラフト3位で2015年に入団した左腕。16年に一軍デビューし、3試合に登板。しかしその後2年間は一軍の舞台から遠ざかり、昨季は3年ぶりに一軍戦に出場を果たした。主に中継ぎとして11試合に登板、防御率は6.10だった。
今季は春季キャンプから猛アピールを続けた。最速150キロ超えの力強い直球とスライダーを軸に、オープン戦6試合で、防御率1.23と結果を残した。練習試合でも2試合で無失点を継続。塹江は「春季キャンプの過ごし方を変えた部分はあった。それがうまくいってよかったかなと思います」と振り返った。
考え方をあらためた。「春のキャンプは毎年よくなかった。何か変えないといけないと思った」。昨年までは2月中旬の初実戦で完璧を追い求め、結果が出ないことに気持ちの焦りが生じた。「今年は1年間通した中で、長い期間一軍に貢献できるように準備していこうと」。開幕一軍よりも、その先を見据えた。キャンプでも細かい目標を設定し、そこをクリアするべく日々ベストを尽くしたことで、着実に状態を上げていった。
アピールを続ける左腕に横山投手コーチは「安定した投球を続けている。もともとボールの強さ、スピードを持っている選手。三振も取れるようになったし、良いものをつかんできたと思う」と目を細める。実戦から遠ざかる状況が続く中で左腕は「真っすぐとスライダーを投げられる状態にしておくことが最低限の準備」と引き締めた。目標の50試合登板、最速155キロ到達へ一歩一歩前進する。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)