広島・田中広輔内野手(30)が22日、本拠地で行われた実戦形式の打撃練習で、大瀬良ら3投手から4打席でヒット性4本の固め打ち。1勤1休や時短による練習量低下の懸念を一蹴し、右膝手術からの順調な回復ぶりをアピールした。
「久々の割に、しっかり打ちにいけていたと思う。もともと僕は間隔が開いても気にならないタイプなので」
投手の生きた球を打つのは3月24日、ヤクルトとの練習試合以来59日ぶり。大瀬良の直球を中前へはじき返すと、九里の直球も中前へ。さらに九里のカーブを左翼線へ運び、塹江の直球を捉えて左中間を割った。持ち味の中から逆方向へ。ブランクは無関係だった。
「実戦が無くても意識して練習し、自分の打撃が崩れなかったので、久々でもしっかり振れたと思う」
右膝手術からの完全復活を誓う今季。地道にトレーニングを積み重ね、周辺の筋力が上がったことで右足の踏み込みが強まり、変化球への対応にも以前の切れが戻った。グリップ位置を下げるなど、最善への試行錯誤も繰り返してきた。
「よかった。変化球に体が崩されないし、下半身がドッシリして振れている。やってくれるんじゃないか…という期待感が膨らむ」
30歳の選手会長が放った快音に、朝山打撃コーチは目を細める。懸案の開幕日は、政府による緊急事態宣言解除を待って25日にも発表される見込みだが、田中広の視界を遮るものは何もない。
「決まれば、そこに向けてやるだけ。ケガにだけ気を付けて」
リーグ3連覇に貢献した誇り高きリードオフマン。再び輝く、その時が待ち遠しい。(江尾卓也)
(※引用元 スポニチアネックス)