広島は16日の阪神戦で今季5度目の引き分けとなり、3日以来となる最下位に転落した。打線が2得点に終わり、2回以降を無失点でつないだ投手陣を援護できなかった。堂林翔太内野手(28)は、初回2死満塁で凡退するなど4打数無安打。一時打率4割超と好調だったものの、直近5試合は20打数1安打の不振に悩んでいる。堂林の今後の復調を、チーム逆襲の起爆剤として期待したい。【試合結果】
安どとため息が入り交じる複雑な引き分けだった。投手陣は、2回以降を9イニング連続無失点と我慢した。打線は、あと一本が出なかったとはいえ、終盤の8回に何とか追いついた。ただ、総力で耐えた今季5度目の引き分けも、3日以来となる最下位転落に目を背けるわけにはいかない。
相手先発の秋山に5回4安打無失点に抑えられたのが最後まで響いた。朝山打撃コーチは「初回で崩せたら展開が変わったかもしれない。球速よりも速く感じる直球なので、どうしてもファウルになったりした」と分析。6回1得点だった前回9日に続いて捉えられなかった。
好機で「キーマン」に打席が回るのが野球である。初回1死満塁から松山が左飛に倒れると、堂林は空振り三振と先制機を逸した。2番手・ガンケルが登板した6回には、松山の右前適時打で1点差に迫るも、堂林が遊ゴロ併殺。結果、4打数無安打に終わった堂林が、絶好調からの反動に悩んでいる。
一時、4割超の打率でリーグトップを誇りながら、直近5試合は20打数1安打の不振に苦しむ。打率・302はまさに、踏ん張り所。朝山打撃コーチは不振脱出への策を練り、前を向く。
「気持ちの焦りもあると思う。それでも、3割近くの打率があるわけだから自信にしてくれたらいい。広島に帰って、連日参加してくれている早出打撃などでサポートしたい」
堂林に歩調を合わせるように、チームもここ5試合は1勝3敗1分け。逆襲には、堂林の復調が必要不可欠であることは言うまでもない。今季は、複数の打順に対応。レギュラー不在だった三塁に抜てきされて、攻守に支え続けてきた。
以前には、佐々岡監督も「レギュラーを取るためにこの壁を打ち破ってほしい」と言及したように、チーム全体で堂林の復調を後押しする覚悟だろう。この不振を乗り越えた先には、高卒11年目の覚醒を喜ぶ日々が再び待っていると信じたい。(河合 洋介)
(※引用元 スポニチアネックス)