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最下位カープに足りない「活気」、いま試される3連覇メンバーの姿勢

2020年8月18日

最下位カープに足りない「活気」、いま試される3連覇メンバーの姿勢

勝てば官軍、負ければ賊軍。

勝っていれば見えなかったものも、負ければくっきりと浮かび上がってくる。リーグトップのチーム打率を残しても「好機であと1本が出ない」と言われる。ときには一生懸命プレーしても「必死さが足りない」と言われることまである。

「広島のベンチに、活気がない」

これは結果論からではなく、今季開幕から広島と対戦してきた球団の関係者から聞かされた言葉である。

16日に再び最下位に転落し、首位巨人とのゲーム差は7.5となった。苦しい戦いが続いても、練習風景を見る限り、チームの雰囲気は悪くない。「一体感」を掲げる佐々岡真司監督が醸し出す温かみもあり、選手たちから過度な重圧は感じられず、前向きに取り組んでいる。下を向く者は誰もいない。

新選手会長となった田中広輔も投手と野手の間に溝ができないように声をかけていると聞く。「一体感」を重んじるチームがなぜ、試合になると「活気がない」ように映るのだろうか。低迷の最大の要因とも言える、リーグワースト2位の防御率4.21よりも気になるところだ。

脅威を与えていたはずの「ベンチの活気」

そもそも「ベンチの活気」は3連覇した広島が相手に脅威として与えていたものだった。駆け引きしながら攻防を繰り返す勝負の中で、相手を追い込み、気付けばのみ込んでいくのが広島だった。

3連覇で得た「試合を読む力」が諸刃の剣となっているのかもしれない。今季は立場が逆転したように、勝負どころでミスや失点をするのはむしろ広島側。ときにはそのまま一気に畳みかけられることもある。

培われた読む力によって「この展開でこのミスをしては……」と、先読みしてしまうことがあっても不思議ではない。

失策数もリーグワーストの2位

開幕直後のつまずきが悪循環となっている面もある。防御率とともに失策数もリーグワースト2位。守備力に不安を残すことで、僅差の終盤にも打力のある選手への代走や守備固めの一手を切りづらい。広島の攻撃面の頭脳となっている高信二ヘッドコーチもいまだに、試合の中で守備重視の布陣へ舵を切るタイミングを計りかねているように感じる。

シーズン序盤、主力選手の1人は危機感を口にしていた。

「(3連覇していたときは)相手からすると嫌だったと思う。でも、今はカープはラッキーと思われているかもしれない」

主力の引退や退団、移籍、蓄積疲労など、3連覇からの反動はある程度覚悟しなければいけなかった。ただ、覚悟して戦うのと、受け入れてしまうのとでは全く違う。

防御率だけをスケープゴートにはせず、守備面や走塁面も見直さなければいけない。’16年以前の広島は投高打低。投手陣が野手陣を引っ張ってきたからこそ、3連覇がある。打撃だけでなく、守備や走塁でも、援護はできる。

「いかに個々が同じ方向を見られるか」

結果論からものを言うのは素人でも、細かなところまで突き詰めていくのがプロだろう。首脳陣が明確なビジョンを示し、選手たちはそれぞれの役割をまっとうする。戦う集団、勝つ集団は、決して仲良し集団でなくていい。勝利という同じ目標を目指す者同士だからこそ、ぶつかってもわかり合える。

それぞれの役割を果たすことで、チームはより大きな力を発揮する。3連覇したときはベテランの新井貴浩が走者を進める進塁打を打つ姿や、粘って四球で出塁する姿を見せていたから、打線全体につながりの意識が浸透していった。

自分のことだけでなく、チームのために戦うことができるか。

「いかに個々が同じ方向を見られるか」

開幕前にそう言っていたのは會澤翼であり、鈴木誠也だった。

送球難の選手の送球を受けた選手が安堵感を露呈するのではなく、カバーした上で鼓舞するくらいの気概が欲しい。自分の成績が落ちる結果でもチームにプラスとなればムードを明るくする言動が求められる。

ハイライトは何度だって訪れる

3連覇の立役者でもある田中広輔、菊池涼介の二遊間コンビは今季も守備面で安定し、佐々岡監督も絶大な信頼を寄せる。しかし、攻撃面では下位打線に並んだ彼らが存在感を発揮できているとは言い難い。田中広は31歳、早生まれの菊池涼は30歳の同学年。まだ老け込む年齢ではない。

彼らにとって「3連覇」はプロ野球人生において輝かしいハイライトとなるだろう。だが、人生のハイライトは何度だって訪れる。プロ野球人生の晩年に最大のハイライトをつくった2人の先輩が示してくれた姿を今、思い出してもらいたい。状態が万全でなくても、調子が悪くても、若手に示すことができる姿はある。

「勝つ気」に飢えた広島ならきっと「活気」を取り戻せるはずだ。クライマックス・シリーズのない今シーズン、残り試合を消化試合にするにはまだ早すぎる。

(※引用元 Number Web

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