
8月21日の横浜スタジアム。5回を投げ終えた横浜DeNAのトレバー・バウアーは、うつむき加減でベンチへ戻る途中、転がっていた広島・小園海斗のバットをつま先で蹴り飛ばした。何気ない動作に見せながらも、苛立ちを隠しきれない仕草。映像は瞬く間に拡散し、球場のざわめきと同じスピードで批判が広がった。
24日放送のTBS系「サンデーモーニング」では、上原浩治氏が「これは喝を2つ!」と切り出し、「やってはいけないのは人の道具に当たること。職人が心を込めて作ったバットをああやって扱うのはよくない。暴れるなら見えないベンチ裏でやってください」と断言。隣の立浪和義氏も「子どもたちも見ていますし、感情を抑えるべき」と同調し、2人声が重なりテレビ越しに「喝」が響いた。
一方、その“喝”と呼応するかのように、広島ファンの間では「あっぱれ」が生まれていた。
この試合では7回、小園がライトへ痛烈な一打を放ち三塁へ滑り込むと、塁上で珍しく感情を爆発させ、バウアーに向かって吠えた。普段は穏やかな若武者が剥き出しの闘志を見せた瞬間、スタンドは拍手とどよめきに包まれた。
羽月隆太郎も痛快な一撃を繰り出していた。かつてバウアーが自身のYouTubeチャンネルで、広島の粘りについて視聴者の言葉を借りつつ「たぶん日本流の“ゴキブリ野球”ってやつなんだろうね」と揶揄したとき、その象徴とされた男。その羽月が出塁すると、塁上で披露したのはバウアーの決めポーズ“ソードセレブレーション”。挑発をそのまま返すような剣舞に、客席は「痛快!」「あっぱれ!」と大歓声に揺れた。
苛立ちを足先で示したバウアー。だが最後に光ったのは、バットを蹴られた小園の反撃と、挑発を跳ね返した羽月の剣舞だった。喝を浴びた右腕と、あっぱれを勝ち取った赤ヘルたち。ハマスタの夏が刻んだ一幕は、痛快で、そしてどこか残酷でもあった。(ケン高田)
(※引用元 Asagei plus)