
日本国内ではワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での侍ジャパンの動向ばかりがクローズアップされるが、2026年のプロ野球開幕は刻一刻と近づいている。ソフトバンクが球団史上初のリーグ3連覇、セ・リーグでは藤川阪神がリーグ連覇を達成するかが俎上に載るかもしれないが、ハナから苦戦が予想されるチームも多い。
セ・リーグでは池山隆寛新監督が率いるヤクルト、そして今季も大きな補強をしなかった広島がそうだろう。ただ、広島には今季、いよいよ覚醒しそうな戦力が台頭している。昨年まで中継ぎ、抑えとしてチームを支えてきた栗林良吏だ。スポーツ紙プロ野球担当デスクが、その理由を解説する。
「今季から新井貴浩監督の方針で先発に転向しましたが、オープン戦で結果を残しています。3月12日のDeNA戦は5回5安打無失点の好投でした。しかも5奪三振、無四球。前回の登板(3月4日の教育リーグ・中日戦)では制球が甘くなりましたが、それが改善されています。新井監督は開幕ローテ入りを大いに期待していますね」
栗林はプロ生活5年間で271試合に登板して134セーブ56ホールド。ブルペンとしては実績十分だが、先発登板はこれまで一度もない。ではなぜ、新井監督は先発転向を決断したのか。適性が十分にあるからだ。
名城大学、トヨタ自動車時代は先発投手として、2019年のアジア・ウインターリーグではJBBA(社会人野球)選抜チームのエースとして優勝に貢献。これが評価され、ドラフト1位で入団した
前出のスポーツ紙デスクによれば、
「当時の佐々岡真司監督から指名され、ルーキーながら開幕から抑えを任されて新人王に輝きましたが、もともとは先発型。今季から長いイニングを投げるため、封印していたスライダーを解禁するようで、楽しみです」
広島には大野豊OB会長や佐々岡元監督のように、先発と抑えを行き来して成功した例がある。今季は既にBクラス確定、ヤクルトとの最下位争いなどと揶揄されるが、栗林が先発として覚醒すれば、下馬評を覆せるかもしれない。
WBCだけが騒がれる中、秘かに爪を研いでいるのだ。(阿部勝彦)
(※引用元 Asagei plus)