
広島カープの「1番・中堅」中村奨成はもっと評価されてもいいのではないか――。
新井貴浩監督がスポーツ紙の新春企画で、OBの金本知憲氏と対談した。監督経験者として、金本氏は野手をドラフト1位指名する重要性を力説。真っ先に思い出されるのは、阪神監督時代の2016年に大山悠輔を指名した際に、会場で起きた悲鳴だ。
その大山がトラの中核打者へと育っていった経緯は説明するまでもないが、広島も2024年に佐々木泰、2025年は平川蓮と、2年連続で野手を1位指名している。しかし、2019年から2023年までの5年間、1位指名は投手だった。
「2019年の森下暢仁、2020年の栗林良吏はともに、なくてはならない存在になりました」(スポーツ紙記者)
チーム事情もあったようだが、「5年連続での投手指名」となる前の2017年、2018年の野手1位指名が興味深い。2018年1位の小園海斗は、昨季のセ・リーグ首位打者だ。
小園は高卒の内野手でありながら、ルーキーイヤーから試合に出ていた。そのため、ファンは「打って当然」という目で見ており、新井監督も高い数値を求めているのだろう。
それに対し、2017年1位の中村はプロ8年目の昨季、ようやく「1番・中堅」の定位置を掴んだ。規定打席には到達できなかったが、打率2割8分2厘はオフの契約更改での大幅昇給へと繋がった。
「5位に低迷する広島にとって、中村の台頭は数少ない明るい材料でした」(前出・スポーツ紙記者)
言いたいのは「打って当然の小園」よりも「ノーマークだった中村」がトクをした…ということではない。
12球団のレギュラー中堅手の成績を比較してみると、中村の「OPS.760」と「長打率4割3分9厘」はトップ。最多安打のタイトルを獲った中日・岡林勇希は「OPS.730」で、阪神・近本光司は「OPS.700」だった。レギュラーに定着して久しい近本らと比較するのは乱暴ではあるが、中村の出塁率は3割2分1厘。1番バッターとしての役目は十分に果たしている。
金本氏は1位指名の野手が一人前になるまでの時間の長さをボヤいていた。新井監督は佐々木、平川を試合で使いながら、育てていかなければならない。(飯山満/スポーツライター)
(※引用元 Asagei plus)