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「ゾンビたばこ」で逮捕…ネットの書き込みも気にする『繊細』な性格

2026年2月4日

「ゾンビたばこ」で逮捕…ネットの書き込みも気にする『繊細』な性格

キャンプイン直前のNPBに、大激震が走った。1月27日に、広島カープの羽月隆太郎容疑者が医薬品医療機器法違反(指定薬物使用)の疑いで逮捕。昨年12月に「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」を使用した疑いである。明るいキャラクターで、ムードメーカーとしてもファンに愛された羽月容疑者に何が起きたのだろうか。その知られざる素顔を探ってみた。

本人は容疑を否認

羽月容疑者が逮捕されて1週間あまりが経った。昨年12月16日に関係者からの通報を受けた捜査員が通報者のいる場所に駆け付けたところ羽月容疑者がいたため、任意同行を求めて尿を採取して検査したところ薬物の陽性反応が出たという。その後の報道で、逮捕当日にエトミデートとみられる薬物が入った使いかけのカートリッジを所持していたことが判明。本人は警察の調べに対して容疑を否認しているが、指定薬物所持の疑いでも捜査が行われている。

エトミデートは鎮痛剤や麻酔導入剤として使用されているが国内未承認の医薬品成分で、使用者が一時的に意識障害やけいれんを起こしゾンビのように見えることから、「ゾンビたばこ」と呼ばれている。本来の使用用途とは別に10~20代を中心に電子たばこで違法に使用されるケースが社会問題化し、昨年5月に厚生労働省が「指定薬物」として規制している。

誰よりもストイック

かつて、羽月と過去に広島でプレーしたOBは逮捕の一報を聞いたときに耳を疑ったという。

「びっくりしましたよ…。こんな危ないものに手を出すなんて想像もできない。みんなにいじられるキャラクターですが、野球に関しては誰よりもストイックでした。代走の切り札として起用されることが多かったのですが、足が速いだけでなく投手の癖や走るタイミングなどを常に研究していた。筋トレにも熱心に取り組んでいましたね。ドラフト7位で入団して、1位の小園海斗が高卒でプロ入りした同期なのですが、『あいつは凄いけど絶対に負けたくない』と話していたのが印象的でした。打撃が良くなり、内野のレギュラーをつかめるチャンスだったのに……」

新井監督から笑顔が消えた

2018年、神村学園からドラフト7位の下位指名で広島に入団した羽月は、泥にまみれてはい上がったたたき上げの選手だ。試合前の練習中にユニフォームを泥だらけにして取り組んでいる姿が印象的で、守備の名手として知られる菊池涼介に助言を求めるなど向上心旺盛だった。プロ7年目の昨年は74試合出場で打率.295、17盗塁をマーク。いずれも自己最高の数字で昨オフに800万円増の推定年俸3100万円でサインした。

底抜けに明るい性格でチームを盛り上げる役割を果たすなど、プレー以外の場面でも大切な存在だった。髪型をアフロやおかっぱ頭にした際は他球団の選手の間でも話題に。球団の垣根を超えて愛されたキャラクターだった。広島を取材するスポーツ紙記者は複雑な表情を浮かべる。

「一緒にプレーしていた選手たちはショックですが、新井監督は特に辛いと思います。羽月のことをかわいがっていましたから……。監督自身もドラフト6位で入団して球界を代表する強打者として活躍したので、同じ境遇から1軍に定着した羽月への期待は大きかったはず。春季キャンプ中に笑顔が消えたのもこの一件と無関係ではないでしょう」

すごく繊細な性格

順風満帆に見えるキャリアで、なぜ「エトミデート」に手を染めたのか。警察の捜査段階のため現時点で詳細は不明だが、前出のスポーツ紙記者はこう語る。

「太陽のように明るいイメージがある一方で、すごく繊細な性格でした。ミスをした試合後にこちらが話しかけられないほど落ち込んでうつむいて帰ることが何度もありました。周りにどう見られているかも気にしていましたね。こちらが思う以上に、本人は心身をすり減らしてストレスを抱えていたのかもしれない。ただ、それは他の選手にも言えることです。危険薬物を使う言い訳にはなりません」

プライベートでは見せない顔

この話を聞いて、昨シーズン中のあるシーンを思い出した。昨年6月6日の西武戦(マツダスタジアム)。同点の8回1死から四球で出塁した坂倉将吾に代わって羽月が代走で出場すると、相手投手の隙を突いて二盗、三盗に成功。2死後に捕逸で勝ち越しの本塁生還し、この得点が決勝点になった。殊勲の好走塁で試合後にお立ち台に上がった羽月は「最近、ギリギリセーフとかアウトとか、ネットで走塁下手とか盗塁下手とか書かれているので、今日は見返してやりました」と語気を強めた。二盗の場面について聞かれると「いや、もう思い切って、割り切っていこうと思って。どんだけネットに書かれても『オレはオレでいよう』と思いながらいきました」と思いを吐露した。

別の記者が振り返る。

「冗談めかした口調ではなく、本気で怒っているように見えました。探せば無数に出てくるネット上での評価をいちいち気にするほど、繊細な側面を持っていたということでしょう。でも、人格否定などネット上の誹謗中傷は許されませんが、逆にそれへの怒りがパワーを出す原動力になる選手もいる。反骨心が強い選手だなと改めて感じました。その性格が良い方向に向かえば良かったのですが……」

前出の広島OBは「プライベートでは僕たちに見せない顔があったのかもしれない。でも、それを知ったからと言ってアイツを嫌いになるわけではないです。まだ25歳と若いし、これからの人生がある。詳しいことが分からないのでなんともいえないけど、警察の取り調べに正直に話してほしいですね」と言葉を選びながら話す。

事件の全容解明が待たれる。

(※引用元 デイリー新潮

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