クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージに臨む阪神・岡田彰布監督(65)が開幕前夜の17日、「高校球児のように戦っていきます」などとやたらに若さを前面に押し出す広島・新井貴浩監督(46)との舌戦を得意のどんでんワードで受けてたった。12球団最年長の指揮官らしい老練な〝ボケ〟と〝ツッコミ〟で、師弟対決の前哨戦は貫禄勝ちだ。
甲子園での最終調整を見守った岡田監督に余計な緊迫ムードはなし。百戦錬磨ながら短期決戦は1勝8敗と苦手にしてきたが、「やることは変わらんし、隠すようなこともない。CS用に何かやるとかもない。気持ちと言われても高まってないで。高まっても仕方ないやんか」と自然体を強調した。ミーティングでも「新井(監督)が何やってくるかわからんから…というような話はした」と一応の注意を払いつつ、「でも、意外なことをするというてもそんなないやろ」とピシャリ。
むしろ聞き捨てならなかったのが、新井監督の「高校球児のように戦っていきます」という挑戦者発言だ。「高校野球とか何とか言うてるけど、まさか金属バット持ってこんやろな? それだけが心配なんよ。金属バットって…そらアカンやろ!」と漫才並みの〝ボケ〟で応戦。新井監督にしてみれば単にモノの例えで語っただけだが、大物タレントの間寛平から吉本新喜劇入りを勧められるほど〝お笑い通〟の指揮官にすれば、物言いがベタ過ぎて看過できなかったのだろう。
さらに、新井監督が「ムチャクチャにやる」だの「こっちは(監督の)初心者マークを付けてメンバー交換しようかな」だの〝牽制球〟を投げ込んできても、「こっちは待っていた身やし、受けるしかないやんか」と冷静に〝ツッコミ〟。「まあ、でも(広島と)同じような野球はやらんよ。地の利を生かして、勝って(広島の)勢いを止めたらいいだけ」と師弟関係の師として威厳もアピールしてみせた。
球団関係者の一人は「今日の前哨戦は面白さから言って岡田監督の勝ちですよ」と大絶賛。岡田&新井の「CS漫才」の〝オチ〟の行方が俄然、楽しみになってきた。(岩﨑正範)
(※引用元 夕刊フジ)