広島の一番といえばやはりこの男がふさわしいのかもしれない。一番打者に定着した2016年からリードオフマンとしてチームをけん引。17、18年と2年連続で30盗塁を記録し、「不動の一番打者」としてリーグ3連覇に大きく貢献した。
右ヒザの故障を抱えながら臨んだ昨季は97試合の出場。そのうち一番での出場はわずか31試合にとどまった。8月末には「右ヒザ半月板部分切除手術」を敢行した。
昨年末には長年“タナキク”として一、二番コンビを組んだ菊池涼介がメジャーへの思いを断ち、チーム残留を決断した。1月15日に行われた合同自主トレでは練習拠点の沖縄から一時合流し、自身の思いをぶちまけた。
「キクとは同級生。ずっと二遊間でやってきた。2人でもう一回、“タナキク”を全国にしっかりとアピールできように。また2人で一緒にチームを引っ張って活躍したい」
もちろんライバルも多い。「遊撃で全試合出場」を目標に掲げる小園、昨季中盤以降に一番に定着した西川。昨季は39試合に一番としてスタメン出場し、14盗塁を記録した野間。佐々岡新監督が掲げる「競争」を勝ち抜き、「一番遊撃・田中広輔」を再び定着させるには多くの壁を越える必要がある。
昨オフには會澤から選手会長を引き継いだ。今季は新たにリーダーとしてチームを引っ張る。チームの先頭、そして打線の先頭に立ち、優勝を奪い取る。この男が復活したカープは間違いなく強い。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)