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危うい「6.19」開幕…コロナ禍の『3大リスク』乗り越えられるか

2020年5月26日

危うい「6.19」開幕…コロナ禍の『3大リスク』乗り越えられるか

待ちに待った球音がスタジアムに響く。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕を延期していた日本野球機構(NPB)は25日、12球団代表者会議をオンラインで開き、公式戦を6月19日に開幕することを決めた。政府がこの日、緊急事態宣言を全国で解除したことを受けたもので、国内プロスポーツで初めて公式戦開催に踏み切る。当面は感染症対策で無観客で行うが、ひとつ間違えば再び“ロックダウン”を招きかねない、3大リスクをはらんだ船出だ。(片岡将)

佳境で打ち切りも

「プロ野球開催は、外出自粛などによる閉塞感に苦しんだ国民の皆様を勇気づけ、またプロ野球以外のスポーツにも開催の指針を示すことができればと思っている。開幕を決断できたのは喜ばしいが、準備を怠りなく進め、関係者やご家族を守りながら慎重に運営していくことが何より大事」 オンライン会見でそう語り、わずかに安堵をにじませた斉藤惇コミッショナー(80)。6月19日の開幕と併せ、同2-14日まで練習試合を行うことも発表された。

大きな一歩を踏み出したプロ野球だが、安倍晋三首相がこの日の会見で「2度目の緊急事態宣言発出の可能性もある」とくぎを刺した通り、感染症対策の専門家チームが懸念するウイルス流行の第2波が起きれば、再びスポーツ興行は“ロックダウン”される。感染流行の収束が紫外線量、気温や湿度の上昇と関係があるとすれば、シーズン佳境の秋口に再流行して打ち切りの恐れもある。

斉藤コミッショナーも「覚悟はしていなければならない。解決はしていないわけですから。野球だけでどうこう決められる問題ではない。地方自治体とどうするか決めていく。ガイドラインの中にも、そこに絡むことは決めてある。事態が変われば理事会、実行委員会を開き、国、自治体との協調、専門家の先生方と緊急対応策を考えていくことも頭に入れている」と表情を引き締めた。

年俸見直し問題

近年のプロ野球は、球場来場者相手の商売で稼ぐビジネスモデルに軸足を移してきたが、当面の無観客開催で収入激減は避けられない情勢だ。12日の臨時オーナー会議で、議長のDeNA・南場智子オーナー(58)は「かつてない危機的ともいえる状況。球団経営にとって非常に大きな問題であり、各球団の状況についてもオーナーの皆様からご意見をいただきました」と語った。

この場で、選手会と年俸カットについて話し合うことにゴーサインが出た模様だが、23日になって楽天・三木谷浩史オーナー(55)が、自身のツイッターで「オーナー会議でオッケーとなったことが、現場のNPBで覆る。全く権限の無いオーナー会議だとは思っていたが、現場から完全に舐められている」と投稿。収入減を見越して選手と年俸について話し合うべきだという一般ユーザーの意見に、「ま、それが普通の感覚だとは思いますよ」と応じ、減俸交渉ができない不満をにじませた格好だ。

米大リーグでは年俸カットを巡り、3週間近く綱引きが続く。開幕延期を決めた当初、オーナー側は試合が減った分を日割り計算する見直し案で選手会と合意。だが当時は観客を入れる前提だった。

7月上旬開幕でめどは立ったが、シーズンは82試合に半減した上に当面は無観客で、収入激減は必至だ。オーナー側は改めて、リーグ全体の収入を折半するよう提案。反発する選手側と、配分比率の見直しや給与支払いの先送りなど妥協点を探るが、決裂すればシーズン中止も視野に入る。

これまでNPBでは、年俸の取り扱いに関する質問に斉藤コミッショナーが「開幕に向けて球団も選手も一致団結するのみ」と繰り返し、封印されてきた格好だが、大きな火種になりかねない。

世論を味方に

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、今後も3密を避けた不自由な生活を強いられるのは変わらない。ある球団の首脳は「何よりも大事なのは、シーズンを行うことが社会に歓迎される状況でなくてはいけない」と世論の動向を注視する。

いざシーズンが始まれば、一般市民が自粛している全国各地の大都市への移動を繰り返すことになる。各球団は選手、スタッフに通達している外出禁止の方針を堅持する見込みだが、3月には阪神の一部選手が知人宅でパーティーに参加して感染。西武の一部選手が感染が急拡大していた3月中旬、合コンに参加したことが週刊誌に報じられたこともあった。

NPBが近日中に発表するガイドラインでは、選手から感染者が出ても即、シーズン打ち切りまでは発展しない見込み。それでも、選手に市民感情を刺激する不心得な振る舞いがあれば、科学的に問題がなくても情緒の問題でシーズン続行は難しくなる。歓迎されないスポーツに、国民を勇気づけることはできない。

(※引用元 夕刊フジ

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