育成の星が、開幕スタメン候補に名乗りを上げている。育成ドラフト1位で2019年に入団した大盛穂は、その年のオフに支配下選手契約を勝ち取ると、昨季は一軍戦で73試合に出場。そのうち25試合で先発出場を果たし、攻守走の能力の高さを発揮。大きな存在感を示した。
今季の春季キャンプは自身初の一軍スタート。序盤こそ快音は聞かれなかったものの、実戦が始まると、結果を残し続けた。
2月21日の阪神戦(宜野座)では右越えのソロを放つなど、キャンプ中の実戦10試合で打率.286、1本塁打、3打点を記録した。キャンプでは「ファーストストライクを仕留めること」を念頭に置き、「追い込まれたら、粘って粘って進塁打や、タイムリーだったり、いいものを出せるように」と貪欲な姿勢でアピールを続けた。
昨季ブレークを遂げたものの、シーズンが深まるにつれ三振の数が増えた。全148 打席中で50三振を喫しただけに、バットをコンパクトに振り抜くことなどに取り組む。大盛は「今はしっかり打ちに行く中でファウルにできるようにと思ってやっている。オープン戦もそうですけど、今からが勝負なのかなと思う」と引き締めた。
外野の定位置争いはし烈を極める。鈴木誠、西川の開幕スタメンは決定的で、残り1枠を、長野、松山、正隨らで争う。
「攻守走、すべてにおいて勝負の世界なので。ただ、外野手はやっぱり打ってナンボです」。中でも中堅への強いこだわりを持ち「僕に求められている役割はセンターだと思うので。もちろんセンターで開幕獲れるように頑張りたいです」と意欲十分だ。体つきも年々厚みを増してパワーアップした育成出身のホープが、今季は開幕から暴れ回る覚悟だ。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)