勝負強さが四番打者の必須項目ならば、鈴木誠也はピタリと合致する存在だ。
一軍定着後、得点圏打率は3年連続で3割以上をマークした。2015年は.358、16年は.346、17年は.308とやや下回ったが、得点圏での9本塁打はヤクルト・山田哲人の10本に次ぐリーグ2位。ビッグイニングを演出できる存在なのだ。
「チャンスということは、投手にとってピンチ。それをうまく利用して、気負わずに打席に入ることを心がけています。硬くなると甘い球を見逃したりする。その1球が一軍では命取りになるので」
マウンドからの雰囲気で、投手の焦りを感じ取ることもあるという。
「自分の直感みたいなもの」。精神的に優位に立つことで、好結果を生み出している。大事なのは、気持ちの整理だと強調する。
「ネクスト(バッターズサークル)での考え方の準備が終わっておけば、投手と勝負できる。チャンスのときはこれをしていこうと決める。例えば初球を振る、または変化球を狙うとか。割り切ったほうが自分のスイングができる」
最もやってはいけないのは、迷って中途半端になることだという。
「去年はキクさん(菊池涼介)とか丸(佳浩)さんのおかげで、かなりの確率で得点圏での打席だった。そう考えると90打点じゃ少ない」
昨年8月に手術した右足首のリハビリに励んでいる。キャンプは一軍スタートながら、まだ回復途中。焦らず、階段を上がっていく。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)