カープに鯉

広島カープへの想いを届ける記事を掲載♪「カープ関連」のLINEスタンプも紹介してますヾ(*≧∀≦)ノ゙

私、ちゃんとカープが好きだった!自粛期間に覚えた『守りの応援』に

2022年5月6日

私、ちゃんとカープが好きだった!自粛期間に覚えた『守りの応援』に

白状します。2022年プロ野球開幕戦横浜×広島、これが私にとって2年ぶりの球場観戦となりました。まる2年です、あれ、じゃあ3年ぶりなん? うわあ。ひくわ。文春野球の原稿を毎年書いていながら球場に行ってなかったのです。図々しいですね、ごめんなさい、応援バットを投げないで下さい。

ハマスタに向かう道すがら、もう涙ぐんでいた。おばさんは涙もろい。球場が見えたらもう我慢できなかった。泣いた。

「あああ! ゲートかわってる!」
「あああ! 知らないお店ある!」
「あちこち改装しとってじゃ!」
「知らんポケストップできとる!」

まる2年のテレビラジオネット応援も嘘じゃなかったよなあ

緊急事態宣言が出て観戦チケットを数枚まとめて払い戻したあの日、こんなにも期間があくとは思わなかった。なめてたパンデミック。途中有難いことに何度も観戦のお誘いをいただいたし、自分でもチケットを買おうともした。でも我慢した。自分が球場で罹患し、他人にうつしたらいけないと思っていたのだ。その時は。

久しぶりの球場、あー思い出した。この雰囲気。アナウンス、シートの感触、野球ファンの声、球場メシ、風、空の暮れなずんでいく色。左隣のカップル(死語)のぎこちない野球会話もほほえましい。右隣のおじさんの語りかける「みとりぃ、小園は今年首位打者獲るで!」の『小園は俺が育てた感』も懐かしい。

一番「あ、なまで観戦しとる」と感じた瞬間があった。外野にいたのだが、後ろで花火が上がった直後、ぶわっと熱い空気がきたんですわ。あんな上であがってる花火の熱をじかに感じるなんてそりゃテレビではないわな、とまた涙ぐんで空を見上げた。白い煙が流れて残っていた。コロナ禍の応援方法は大きく様変わりをしていてそれも「今」だなあと思った。

そして開幕戦、カープは勝った。現地の勝ち試合。最高。

帰り道の2チーム入り混じった混雑のなかゆらゆらと観戦後の言葉を聞きつつ駅まで歩き電車に乗る。心地いい。

ここで「やっぱり野球ファンは球場に行かねば!」「現地観戦が一番」「あの球場の雰囲気は何にも代えがたい」「みんな、感染に気を付けて観戦しよー! 球場最高」と締めくくるとコラムとして平凡だがきれいかもしれない。が。ぐるぐる考えながら球場の帰り道、思いついたことがある。

まる2年のテレビラジオネット応援も嘘じゃなかったよなあ、と。

私、ちゃんとカープが好きだったよ。

応援は枯渇しなかった。

勝って嬉しい、負けて悔しい、選手の怪我を心配し、去就を気にして、ネットでも記事を読み漁る。かわらない日常であったことよ、テレビに向かって大声を出してしまい膝のネコに逃げられることまで。

そのテレビすら観られない日、時間が空いてすぐにスマホで野球速報確認するのも応援だし愛じゃないか。応援の気持ちとしか表現できないあのアプリをタップする速度。

思えば守ってばっかりの2年だったのかもしれない

自分の仕事先でコロナが出た時ガツッと脳にきたのは「球場でもらうことばっか考えてた。逆もあるがぁ」の気づき。自分が球場に持ち込んでしまうのも避けないと、と気を引き締めた。球場に行くバス電車、球場までの道、受ける側の想像しかしていなかった。攻めもあったわ。そうでした。生活のなかの攻撃と守備、そのどちらも大切。点入れるばっかり考えてたら勝てない。守らねば。

思えば守ってばっかりの2年だったのかもしれない。

2年間応援の気持ちはちゃんと守れた。菊池のような守備はできたかわからないけど。

野球に表裏攻撃守備があるように応援にもあった。自粛期間は守りの応援だったんだ、たぶん。

守りの時間ってモチベーションを保つのは難しい。球場への行程のわくわく感、香り、熱、感触、声、球音、それらがないまま好きという気持ちをずっと同じテンションで持ち続けることって実はしんどかった。スポーツニュースを観て読んで本を買ってネットで試合速報をリロードして試合の感想を検索して……攻撃に回ってやっと「よく守り切れたなあ」と気づくのだ。控え投手全員出したあとのよう。

現地応援は楽しい、ほんとに。行ったことのない方には強くお勧めしたい攻めの応援。だけど守りの応援だって同じ応援。好きな気持ちには差がない。

応援の気持ちに差をつけないでほしい。自分にもひとの応援にも。

野球には勝ち負けがあって敵味方に分かれるけど敵は悪ではないのだもんね。

勝って嬉しいのはほんと。負けて悔しいもほんと。だけど敵はいてもわるものはいない。ごめんよ、僕には帰る球場があったんだ、こんなに嬉しいことはない。いつでも応援には会えるから(いつものガンダム)。

いま、観戦チケットを3枚財布に入れている。どこの球場に行くのも数年ぶりだ。そのたびに思うんだろうな。この雰囲気!きたー!におい、感触、アナウンス、なにより球音と共にある選手の姿。

「あああ! ゲートかわってる!」
「あああ! 知らないお店ある!」
「あちこち改装しとってじゃ!」
「知らんポケストップできとる!」

今日も応援します。勝ちたいよねえー。

(※引用元 文春オンライン

関連記事

ミスに落ち込んでいた小園、恩師が気づいた変化と成長「変わったな」

ミスに落ち込んでいた小園、恩師が気づいた変化と成長「変わったな」

恩師だからこそ、内面の変化に気が付いた。昨年末、広島・小園海斗内野手が挨拶のために母校の報徳学園を訪れた日のことだ。例年通り、年末に母校で体を動かす姿を眺めていた大角健二監督は、ひそかに感心していた。 …

球団OB・黒田博樹氏の言葉励み!大瀬良、今季は大きな進化の予感

球団OB・黒田博樹氏の言葉励み!大瀬良、今季は大きな進化の予感

広島の大瀬良大地投手が5年目の今季、大きな進化を遂げようとしている。12日の阪神戦(マツダ)では7回1失点と好投し、リーグトップの5勝目。開幕投手の野村を欠く中、先発陣の中心的存在となっている。 活躍 …

小園海斗、遊撃手でレギュラーは時期尚早「センターも守らせるべき」

小園海斗、遊撃手でレギュラーは時期尚早「センターも守らせるべき」

広島カープの将来を担う選手として、一番手にあがるのは今季で二年目を迎える小園海斗だろう。ルーキーイヤーは58試合に出場し、打率.213、4本塁打という成績を残して、同じく高卒で同期入団の中日・根尾昂、 …