セットアッパーとして、カープの“勝利の方程式”の一角を担い、日本代表としてWBCにも出場した今村猛さん(31)の早すぎる引退に驚かされた人は、多かったのではないか。まだやれると……。
「もっとできたかなという気持ちはあったし、悔しさもありました。でも、カープ以外で野球をしたいという気持ちはなかった。(鈴木)誠也とは対戦してみたかったですが(笑)。真っ向勝負は避けて、ほとんどボール球を投げたと思う」
現在はタレントとして活躍中だ。
「先日、『有吉ゼミ』(日本テレビ系)に出させていただき、コロナ禍でYouTubeチャンネルも開設しました。配信は停滞気味ですが…。引退して間もないので、まだ“カープOB”みたいな扱いですね」
スポーツとはまったく違う分野に身を置いているだけに、気がついたこともあるという。
「現役のうちに、もっといろんな方に出会っていればよかったな、と思います。あと、お金の勉強をもっとしておけばよかったですね。これからはお金のマネジメントもしっかりしないといけません」
自身の実感を踏まえ、現役選手へアドバイスを送る。
「よけいなことは言いたくないですが、『野球だけじゃないよ』というのは伝えておきたいですね。終わりは必ず来るし、その後の人生のほうが長いですから。たとえば、チームに残れるのは引退した人のなかでもごくわずかです。だからこそ、野球をやめたあとに自分がどうやって生きていくかというのは、あらかじめ考えておいたほうがいいんじゃないかと。次への準備は大事です」
今後については、「視野を広げると同時に新たなことにもチャレンジしたい」と語る。
「社会人として1年めなので、気持ちも生活もスムーズに方向転換したいですね。『この人がこんなふうにやったから、そういう道もあるんだ』と、僕がいろいろと作っていけたらいいなと思います。ずっとスポーツにかかわってきたので、たとえばジム経営とかも考えたい。
健康のために通う一般の方に加えて、自分の知識を生かしたトレーニング法で、未来の野球選手を育てられるような場を提供するのが理想ですね。
今までの僕は、何かと『これはやらないといけない』という発想になっていました。仕事にしても、『やらないといけないから頑張る』という義務感から離れて、『やりたいことを頑張ったらいいんじゃないか』とある方からアドバイスを受けました。直感的におもしろいと思ったことを試しにやってみる。それでいいのかな、と最近考えさせられました」
いまむらたける
1991年生まれ 長崎県出身 清峰高を経て広島に入団。おもにセットアッパーとして活躍。2016~2018年のチーム3連覇に貢献。2021年引退。通算12年431試合115ホールド。現在はタレントとしてテレビやYouTubeで活躍
(※引用元 Smart FLASH)