広島に新たな風が吹く。秋山翔吾が2022年6月30日、マツダスタジアムで入団会見を行った。
その後は本拠地・マツダスタジアムで練習に参加。選手、首脳陣に挨拶して談笑する姿が見られた。6月上旬に米国で新型コロナウイルスに感染し、実戦から遠ざかっていることから、今後はファームで試合勘を養ってコンディションを上げることになるが、1軍に早期昇格するだろう。
「CS争いで一歩抜けた存在になる可能性」
スポーツ紙デスクは「広島がガラッと変わる可能性がある」と分析する。
「鈴木誠也が昨オフにカブスに移籍しましたが、投打の陣容を見ると能力の高い選手がそろっている。ただなかなか殻を突き破れないのは、チームが停滞している時に強いリーダーシップを張れる人間がいなかったことが大きいと思います。負けが込むとチーム全体が落ち込んでしまう。
秋山は攻守で見せるパフォーマンスはもちろんのこと、チームを良い方向に導くために時に厳しいことを伝えることを厭わない。戦う集団になる上で、秋山の存在は非常に大きい。首位を独走するヤクルトに追いつくのは現実的に厳しいですが、巨人や他球団とのCS争いで一歩抜けた存在になる可能性は十分にあると思います」
今年の広島は連勝、連敗を繰り返して波が激しい。開幕から6連勝を飾るなど一時は貯金7に増やしたが、交流戦で12位の5勝13敗と失速。一時は借金が5までふくらんだ。
その後に引き分けを挟んで5連勝と勝率5割としたが、首位・ヤクルトに本拠地・マツダで同一カード3連敗を喫して借金生活に逆戻り。打線はチャンスを再三作るがあと一本が出ず、投手陣も要所で踏ん張れない。リーグ3連覇を飾った16~18年の黄金時代のようなたくましさ、したたかさが感じられないのが現状だ。
黄金時代の再来なるか
対戦成績を見てもDeNAに11勝1敗、阪神に9勝0敗2分と大きく勝ち越しているが、首位・ヤクルトを1勝10敗1分と苦手にしている。若い選手が多いため脆さがあるのは致し方ないかもしれないが、ヤクルト戦はDeNAや阪神と戦っている時とは別のチームのように映ってしまう。秋山はチームを落ち着かせる上で貴重な存在になるだろう。
秋山には西武、ソフトバンク、広島が獲得オファーを出した。劣勢と見られた広島に入団する決め手は、鈴木清明球団本部長や松田元球団オーナーから2000安打に残り524安打に迫った大記録達成を支える言葉が心に響いたことだったという。
日本球界に復帰するのは3年ぶり。常勝軍団の再構築へ、頼もしい男が加わる。(中町顕吾)
(※引用元 J-CAST)