新監督のカラーが徐々に浸透している。今季より新井貴浩新監督が率いる広島は、4月20日の甲子園での阪神戦に7-5で勝利し、3連戦を1勝2敗で終えた。現時点での通算成績は9勝7敗、4位に着けており上位陣の混戦が続く中、一時は首位にも立つなど開幕から尻上がりにチームの安定感が増してきている。
今季は4連敗での苦しいスタートとなったが、その後は投打がかみ合いを見せ5連勝も記録。甲子園では連敗を喫したものの、カードの最後をものにし3タテを防いだ。
しぶとく白星を重ねてきている広島は、打線をほぼ固定しながらの戦いを続けており、リーグトップタイの51得点(20日終了時)と結果にも結び付いている。ここから5月攻勢を狙うべく、さらに期待が寄せられる中、新人監督の手腕を称える球団OBの声も伝えられている。
「だんだん野球が固まってきているんじゃないかな」
開幕から現在までの広島の試合内容を振り返り、そう語っているのは高橋慶彦氏だ。現役時、広島の主力として活躍し3度の日本一にも貢献した高橋氏がYouTubeチャンネル『よしひこチャンネル』を4月20日に更新し、その中で新井監督の選手起用について見解を述べている。
19日の阪神戦の7回表二・三塁の場面で、この日が4試合目の出場となった會澤翼の打席、好機で代打を望む声が多かったとの話題で高橋氏は、「新井監督が選手を信じて使っているスタンス」と指摘。結果的に會澤は凡打に終わっているものの「目先(の結果だけ)で代えても、ということだったかもしれない」と采配を評した。
また、ペナントレースでは3連敗を避けることが重要として「そのためにチームにはエースが必要」と語りながら、現在ファームで調整中である、開幕投手の大瀬良大地に言及。同氏は「新井監督は大胆。余裕があるな」と言葉を続け、その上で「リフレッシュさせて、ここから長いシーズンで柱になって欲しいということだろうな」と見通している。
さらに、野手に関しても、ショート以外のポジションは固定できている点にも触れ、打線でも「菊池(涼介)選手が1番になったから全く変わった。よく1番に持ってきたと思う」として、ベテランのリードオフマン起用を絶賛。
他にも高橋氏は、新井監督がここまでみせている采配などにも印象を述べながら「だんだん選手が見えてきている。後は外国人や坂倉(将吾)等が良くなれば打線も大きく変わる」として、さらなる躍進に期待を込めている。
高橋氏の言葉通り、序盤戦以降、3連敗を喫しない戦いを続けている広島。その手腕に高い評価が送られている新指揮官にけん引され、勢いを増しながら鯉のぼりの季節へと向かう。
(※引用元 CoCoKARA)