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主砲・鈴木誠也、足の上げ方を変え…右足重心からのレベルスイングに

2021年3月29日

主砲・鈴木誠也、足の上げ方を変え、右足重心からのレベルスイングに

広島の主砲となり、侍ジャパンの四番となっても、鈴木誠也は立ち止まらない。昨年史上4人目となる5年連続での打率3割と25本塁打をともに達成した打撃フォームと決別。昨季終了とともに、大胆な打撃フォーム改造に取り組んでいる。軸足に重心を残してポイントを近づけ、スイング軌道も投球に合わせてレベルスイングするフォームとなった。

「変えないで無難にやるのは、おもしろくないじゃないですか。今の形が安定して結果を出せると言っても、そんな安定はいつか崩れますから」。現状に満足することはない。まだ自分が描く理想の過程に過ぎない。

プロ野球は失敗のあるスポーツと言われる。打者は7割打てなくても好打者と言われ、投手も防御率0.00の選手はいない。だが、5年連続3割をマークした鈴木誠は打ち取られることを受け入れようとしない。「打った3割」よりも「抑えられた7割」が強く記憶に残っている。新打法の狙いはそこにある。

「練習で完ぺきに打つことは簡単なんですけど、最悪を想定しないといけない。自然とヒットゾーンに落ちる打ち方が理想だと思う。詰まってヒットゾーンに飛ぶということは芯に当たれば確実に長打、本塁打になる確率は高くなる。相手が詰まらせた、打ち取ったと思う打球がすべてヒットゾーンに落ちるのが理想だと思う」

だからこそ、球をより長く見られるようにミートポイントを近づけ、投球に点ではなく、線で合わせるスイングに変えた。スイング軌道がややアッパー気味に見えるのは、マウンド、投手の身長と腕の高さが加わった位置から投げ下ろされる投球に合わせるためだという。

フリー打撃で形を固めつつ、実戦打席で完成度を高める作業に入った。相手投手との間合い、組み立てによる反応など確認作業は細部にわたる。2月23日の中日との練習試合(北谷)では一発を放つも、試行錯誤は続いた。

「自分の中でいいものだけを残し、悪いものは省いていくような形でやっていく。3月26日に開幕してからもどうせ課題は出てくるので、それはまたそのときにやればいいし、完ぺきはないので」

新たな感触を感じながらも、ズレを感じたものには修正を加える。構えの形やテークバックの取り方、左足の上げ方など、ひとつずつ消化。コンディション不良で欠場した試合もあったが、オープン戦終盤には結果とともに内容も伴ってきた。自分の間合いでスイングできる打席が増え、新打法の完成度は高まっていた。

3月20日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で高橋礼から記録した安打は、直球に差し込まれながらも二塁後方に落としたものだった。

「完全に入り込まれましたけど、ああいうところに落とせるというのは、いい角度で入っていけている状態だと思う」。新打法の狙いが表現できるようになっていた。結果的にオープン戦では長打は出なかった。ただ、5安打すべて単打も、何ら問題はない。確かな一歩を踏みしめながら、シーズンにきっちり照準を合わせた。

「ある程度、自分のスイングは数多く出せるようになってきているので、あとはシーズンに入ってしっかり数をこなしていければと思います」

シーズン中も打席ごとに打ち方を変えることもあっただけに、ひとつの形に固執することはないだろう。開幕戦はひとつの区切りであっても、終着点ではない。鈴木誠にとっては追い求める打撃道は、常に道半ばなのかもしれない。(文=前原淳)

(※引用元 週刊ベースボール

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