今季リーグ2位と躍進した広島の主力打者がチームを去ることになった。オリックスは11月22日、広島から国内FA権を行使していた西川龍馬外野手との契約合意を発表した。
西川は今季109試合に出場、リーグ2位の打率・305、9本塁打、56打点をマーク。天才的なバットコントロールは知られており、広島が誇る安打製造機は今後、パ・リーグに活躍の場を移すことになった。リーグ4連覇を目指すオリックスでは今季規定打席に達した外野手は中川圭太のみ、主力の杉本裕太郎も年間通してパフォーマンスを残せない中、外野の布陣に厚みも加える有益な戦力強化となりそうだ。
一方の広島では今季4番も任せた大事な主力打者を放出することになった。V奪回を目指す来季は第一に自前の戦力強化が求められそうだ。
来季の飛躍へ期待がかかる打者といえば、新井貴浩監督も目をかける右の大砲候補、末包昇大もいる。プロ2年目の今季は11本塁打と初の2桁本塁打をマーク、そのうち、対巨人戦で6発を放つなど巨人キラーとして一躍その名が知られることになった。ほかにも先に行われたアジアシリーズで打率・412、中軸も任されるなど侍ジャパンの井端弘和監督からも信頼を寄せられた若き内野手、小園海斗もいる。
また、今季西川が夏場に右わき腹を痛め、戦列を離れたときには指揮官の柔軟な発想も、「新井さんマジック」として、話題を集めた。後半戦開幕の試合から4番打者にプロ11年目の上本崇司を起用。一発が期待できる打者ではなく、従来の4番打者像とは違ったタイプのバッターだったが、チャンスメイクもしっかりでき、送りバントを含め、チーム打撃もそつなくこなすなど「つなぎの4番」として機能、新井監督の眼力の確かさもチームの背中を押した。
今季は夏場に10連勝も達成するなど快進撃で、セ・リーグを盛り上げた。チームの歴史からいっても主力打者が離れたときは、また若手のイキのいい打者が現れるのが常となっているため、新井監督含めナインがどう立ち向かっていくかも注視されそうだ。
(※引用元 CoCoKARA)