広島は2019年7月9日、ナゴヤドームで中日と対戦し3-6で敗れた。先発・山口翔投手(20)が1回5安打3失点で2回のマウンドに立つことなく降板。広島は2回以降、3人の投手を投入するも、中日打線に計13安打を許して敗退した。
チームは交流戦後、1分けをはさんで屈辱の10連敗。球団の10連敗は、2011年5月25日の西武戦から6月6日のソフトバンク戦で喫して以来8年ぶりで、2ケタ連敗は球団13度目となった。
開幕5カード連続負け越し、延長回1イニング12失点…
今シーズンの広島は開幕から屈辱的な記録が続く。球団史上初となる開幕から5カード連続で負け越し。4月10日のヤクルト戦では延長10回に大量12失点。延長回での1イニング12失点は、1996年阪神の11点を更新するプロ野球新記録となった。5月は一転、絶好調だったが、交流戦に入るとチームは泥沼に。そして今回の大型連敗。10日の中日戦に敗れれば、99年以来の11連敗となる。
「負」の記録のオンパレードとなっている広島だが、打者に関して不名誉な記録が懸念される。その記録の可能性があるのが田中広輔内野手(30)だ。リーグ3連覇に大きく貢献した広島の不動の遊撃手が、今シーズンは不振に陥っている。7月9日現在、ここまで81試合に出場して打率は.195と、低迷している。規定打席に到達した打者の中で、打率1割台は両リーグ合わせて田中ただひとり。セ・リーグで田中の次点、ヤクルト村上宗隆内野手(19)の打率は.234で、田中は断トツのワーストとなっている。
規定打席に到達して1割台でシーズンを終えたのは、1982年の巨人・山倉和博氏(打率.196)が最後となる。田中がこのまま規定打席に到達してシーズンを終えれば、82年以来の屈辱的なものとなる。広島はここまで83試合を消化しており、残りは60試合。フルイニング出場記録は途絶えたものの、守備の要として重宝されており、これまでの指揮官の采配からすると、田中が出場し続ける可能性は高い。
どこまで続く「負」の記録 明るい兆しは…
ここ最近のセ・リーグの規定打席到達者で目立って低い打率を残しているのが、巨人・小林誠司捕手(30)だ。2016年には打率.204、翌17年は.206を記録している。小林の場合、捕手ということもあり、リード面を重視するという点において打撃に関して過度の期待はないだろう。田中は5月以降、下位の打順にまわっているが、本来、広島のリードオフマンとして期待されていただけに、打率1割台は自身にとっても不本意であろう。
首位・巨人ははるか遠く、10ゲーム差まで広がった。直接対決で2連敗中の4位・中日との差はわずか1.5ゲーム。今シーズンの広島は、リーグ3連覇の「黄金期」を支えてきた主力が精彩を欠いている。広島の「負」の記録はどこまで続くのか。現状、明るい兆しは見られない。
(※引用元 J-CAST)