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FA流出懸念に、カープOB・安仁屋氏「丸だけなら穴は埋まるが…」

2018年10月3日

FA流出懸念に、カープOB・安仁屋氏「丸だけなら穴は埋まるが…」

広島カープが圧倒的な力でセ・リーグ3連覇を果たした。投打の主力も若いだけに「カープ黄金時代」を予感させるが、なぜかオールドファンたちは浮かない顔だ。「どうせ、しばらくしたらまたあの時代が来るんじゃないか……」──。その真意はどこにあるのか。

過去に、セ・リーグ3連覇を達成したことがあるのは巨人だけ。新たな歴史に名を刻んだ「赤ヘル軍団」の強さの秘密は何か。

「なんといっても選手層の厚さでしょう。丸佳浩(29)、鈴木誠也(24)とクリーンアップ2人がそれぞれケガで離脱した時期がありましたが、昨年までは主に代走・守備固め要員だった野間峻祥(25)が6月まで打率.350と打ちまくり、松山竜平(33)とバティスタ(26)が4番の代役を果たした。主力が欠けて負けが重なるといった“失速”がなかったことが独走につながった」(広島担当記者)

打線に比べて見劣りすると言われていた投手陣も、ジョンソン(33)、大瀬良大地(27)、野村祐輔(29)を中心にローテーションは大きく崩れなかった。

「今村猛(27)、中崎翔太(26)らのリリーフ陣に、2年目のアドゥワ誠(19)が加わり、育成から左腕のフランスア(25)があがってきてブルペンも盤石になった」(同前)

主力を張るのは、20代中盤から30代前半の脂の乗った選手たち。さらに、下の世代も充実している。

「夏の甲子園で1大会の本塁打記録を塗り替えた地元広島の期待の星・中村奨成(19)に加え、2年目捕手の坂倉将吾(20)も成長著しい。投手陣でも、高橋樹也(21)と高橋昂也(20)という高卒左腕2人も生きがいい」(同前)

死角はないように見えるが、将来の不安はたしかに存在している。

カープ女子もいなくなる

昨季MVPを獲得し、今季も打率.324(リーグ6位)、本塁打38(同1位タイ)、打点95(同3位)、脅威の出塁率.482(同1位)を誇る丸が、国内FA権を取得した(成績は9月26日終了時点)。

「巨人は外野のレギュラーはベテラン勢が中心。しかも今年、巨人はマツダスタジアムが1勝9敗1分と鬼門で、東京ドームでも負け越しています。天敵から主力を引き抜けば、補強と同時に相手の弱体化になる。丸と、今年同じくFA権を取得した松山のW獲得を狙う可能性もある」(スポーツ紙記者)

元広島で太いパイプのある金本知憲監督(50)が指揮をとり、福留孝介(41)、糸井嘉男(37)という両ベテラン外野手に依存する阪神も争奪戦に加わりそうだ。

広島の松田元オーナーは慰留の方針を明かしたが、広島と言えば「育てた選手を高く売る」というのが基本路線。これまでも、川口和久(1994年→巨人)、江藤智(1999年→巨人)、金本(2002年→阪神)、新井貴浩(2007年→阪神)、大竹寛(2013年→巨人)らが去っていった。

「観客動員が増え、グッズも売れる人気球団になった広島はもう“貧乏球団”ではない。ですが、マツダスタジアムは広島市の持ち物ですし、市民球団の本質はそのまま。黒字ですが、同族経営でもあるし、マネーゲームに消極的な姿勢はそう変わらない」(同前)

丸、松山に続き、来年は野村や名手・菊池涼介(28)、強打の捕手・會澤翼(30)が、翌年には菊池と二遊間を組む田中広輔(29)がFA権を取得する見込み。その次の年は大瀬良と中崎だ。広島OBの安仁屋宗八氏が不安を漏らす。

「この3年間の強さは、菊池、田中、丸のセンターラインの活躍が大きかった。広島は育成がうまいといっても、野手は育てるのに時間がかかる。守備の連携はもちろん、攻撃は足も絡んで覚えることが多い。野間のような若い選手がいるので丸だけなら穴は埋まるやろうが、菊池、田中と続いたら大変なことになる」

さらに、鈴木は巨人になじみ深い東京出身。ジョンソンも来年3年契約が最終年を迎える。金満球団の“草刈り場”となれば、今から3年後にはまた最下位争いをする未来もありえる。

広島人気を下支えしたカープ女子たちは、弱くなったチームに、変わらず黄色い声援を送ってくれるのだろうか。3連覇しながら広島が、“球界の盟主”となる将来を信じ切れないオールドファンも多い。

25年間の暗黒期

1980年代、ミスター赤ヘル・山本浩二(71)と鉄人・衣笠祥雄(享年71)を中心に、広島は3度のリーグ優勝で日本一に2度輝いた。その2人の引退後、1991年にもリーグ優勝。

「3年目の野村謙二郎(52)がリードオフマンとして打線を引っ張り、同じく3年目の江藤や2年目の前田智徳(47)が活躍。佐々岡真司(51)は2年目ながら沢村賞に輝き、川口は最多奪三振のタイトルを獲得した。あの時も、黄金期がくると思っていた。ところがその後、川口が去り、江藤がいなくなり、やってきたのは暗黒期だった」(50代、カープファン)

リーグ優勝からは25年遠ざかり、その間、Bクラスに沈むこと18回。のちに球史に名を残す名選手を揃えながらたどった転落の歴史に、「丸や菊池がいなくなっても、若手が出てくる」と楽観的に構えてはいられないファンも多いのだ。果たして、歴史は繰り返すのか──。

(※引用元 NEWSポストセブン

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