親友3人覆面座談会(上)
二塁手として6年連続6回目のゴールデングラブ賞に輝き、広島のセ・リーグ3連覇の原動力となった菊池涼介内野手(28)。丸佳浩外野手の巨人移籍で、来季は主軸としてさらに重い役割を担う。お立ち台でのやんちゃな言動でも人気を集める、異色のスターの“素顔”に迫りたい。照れ屋の本人に代わって、プライベートで付き合いの深い親友3人に“覆面座談会”の形で語り尽くしてもらった。(構成・山戸英州)
--今季は公式戦、クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズ、さらに11月の日米野球にも侍ジャパンの主力として出場。1年が長かった
A「長くキク(=菊池の愛称)の野球を見られてよかったよ。最後の日米野球(11月13日の第4戦=マツダスタジアム)なんかは、寒くて見ているこっちが風邪引きそうだったけど(苦笑)。9回に決勝のセーフティースクイズを決めたのはさすが」
B「キクはずっと俺らのことを気にして、いろいろ声をかけてくれていた。まあ、俺はカーリング娘ばりに『そだねー』とうなずくばかりだったけど(笑)」
C「彼は本当に仲間を大事にする。一緒に接していて、優勝間近でもそれを実感することが多かったね」
--えっ、優勝間近といえばピリピリムードが普通では?
C「あれは優勝目前の9月22日のこと。僕とキクの共通の知人のお母さんが病気で倒れて、かなり危険な状況になった。それを聞きつけた彼は翌日(23日)、その日は優勝マジック『2』でDeNA戦(マツダ)を迎えていて、勝てば優勝決定の可能性もありバタバタしていたにも関わらず、『1日も早く元気になりますように』と直筆のサインを入れたバットと色紙を用意して僕に託してくれた。すると、ヤクルト戦に勝って優勝が決まった26日夜、奇跡が起きた。ずっと反応がなかったお母さんが奇跡的に目覚めたんだ。今は退院もされている。不思議な力を与えてくれたよ。彼の仲間やその家族に対する気遣いは、本当にすごいと思うよ」
--そのころ私は担当記者として菊池選手を追っていたが、裏でそんな出来事があったとは…
A「これだけはハッキリといえる。あいつは義理人情にとにかく厚い。野球人としてはもちろん、人間としてそこを大事にしているのは、周りで一緒に過ごしている俺たちにとってもうれしいよ。世間からは“ヤンチャ”とみられがちだけど、実は素直だよ。まあ、先輩、後輩を問わずイジることもあるけど、それは周りに溶け込ませたり楽しませる手段。それも彼なりの気遣いであり表現方法だと思う」
A「では、菊池の人情家ぶりがわかる秘話をもうひとつ教えよう。この項目のタイトルは“さらば、スタンハブセン!”で頼むぞ」
(※引用元 夕刊フジ)