東京五輪(8月7日、日本2-0アメリカ、横浜スタジアム)
五輪では1996年アトランタ大会以来25年ぶりの決勝進出となった野球日本代表。アメリカとの頂上決戦を2対0で制して見事に金メダルを獲得した。
日本の先発・森下暢仁(広島)はキレのある直球に加え、カーブを効果的に織り交ぜ、アメリカ打線に得点を許さない。5回表二死からN.アレンに右前打、J.ロペスに死球で一、二塁のピンチを招いたが、気迫の投球でE.アルバレスを遊ゴロに。5回3安打5奪三振無失点と責任を果たした森下は「立ち上がりをうまく入れて本当に良かったです。その後、村上選手がホームランを打ってくれたので0点で抑えたい気持ちで投げました。前回登板同様に緊張しましたが、(試合前)セレモニーのマーチングの方を見て、出演される方々も緊張しているのだろうと思うと、少し気持ちが楽になりました」と笑顔を浮かべた。
6回表からは千賀滉大がマウンドへ。千賀は二死一塁からE.フィリアに死球を与えたが、続くJ.ウエストブルックに対してフルカウントから渾身の直球を高めに投げ込んで捕邪飛に仕留めピンチを脱した。「力み過ぎましたが、0点で抑える気持ちだけで投げました。今日は0点で抑えることがすべてなので、そこは良かったです」(千賀)。7回表に登板した伊藤大海(日本ハム)も一死からN.アレンに二塁打を浴び、二ゴロの間に三塁まで進まれたが、E.アルバレスを一ゴロに抑えて投手陣はゼロ行進を続ける。
8回表も続投した伊藤だが先頭のT.オースティン(DeNA)に三遊間を破られ、左打席にT.カサスを迎えたところで左腕・岩崎優(阪神)が登板。岩崎はT.カサスを三振に斬って取ると続くT.フレイジャーを遊飛、E.フィリアを三ゴロに抑える好リリーフを見せ、3回裏に村上宗隆(ヤクルト)のソロで挙げた1点を守る。追加点をなかなか奪えなかった日本だが8回裏、一死二塁から吉田正尚(オリックス)の中前打で二走・山田哲人(ヤクルト)は三塁へ。さらにセンターの悪送球の間に、ホームを果敢に突き、待望の2点目を入れた。
9回のマウンドは東京五輪で2勝2セーブを挙げている栗林良吏(広島)。日本の守護神はJ.ウエストブルックを空振り三振、M.コロズバリを左飛に打ち取ると、続くN.アレンには右前打を浴びたが、最後の打者のJ.ロペスは二ゴロ。日本が2対0で勝利して自国開催の五輪で金メダルを手に入れた。(写真=Getty Images)
(※引用元 週刊ベースボール)