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高橋慶彦と正田耕三が期待する若手、「打つだけ、守るだけ」と指摘!

2021年8月16日

高橋慶彦と正田耕三が期待する若手、「打つだけ、守るだけ」と指摘!

球界をざわつかせた「飛び蹴り事件」(1988年)から30年あまりが経ち、高橋慶彦と正田耕三による「禁断のカープOB対談」が実現。黄金期を支えた二人の目に、苦戦が続く今のカープはどのように映るのか。後編では、レジェンドの口からカープを愛するがゆえの期待と苦言が飛び出した。

―― 今季のカープは前半戦リーグ5位と苦戦が続きます。今のカープをお二人はどのように見ていますか?

高橋 選手はええよな? 小園(海斗)、林(晃汰)、坂倉(将吾)、中村(奨成)……。5月に一軍でコロナの集団感染があった時に、若い選手が出てきた。長い目で見れば、選手層が厚くなってよかった。チーム打率なんてリーグ2位(1位のDeNAとわずか2毛差)なんやから。

正田 それでこの順位なのは、「打つだけ」「守るだけ」の野球しかできていないからだと思います。

高橋 そういうことやな。俺たちは競った試合で強かったけど。

正田 1対0とか2対1で勝っていました。カープで教えられたのは、「ノーヒットでどうやって1点を取るか」という野球。フォアボールやエラーで塁に出て、盗塁、進塁打、犠牲フライで1点を取るとか。

高橋 おまえは汚いんよ(笑)。俺が盗塁で二塁に行ったら、ショウ(正田)は絶対にセーフティーバントをしていた。ショウはセーフティーがうまいから、ヒットになる確率が高い。アウトになっても、記録は「犠打」やん。打率が下がらん。

正田 そうですよ? 気楽でいいんですよ(笑)。

高橋 今のカープには、そういう選手がいないよな。1点を取るのに、相手のスキをこじ開けられるような選手が。

正田 今はピッチャーのクイックモーションが速くなっていますけど、スライディングやスタートは練習しておかないと走れなくなりますよ。

高橋 この前カープの試合を見ていたら、こんなシーンがあった。3点ビハインドの9回裏ツーアウト、ランナー一、二塁。ヒットが出て、二塁ランナーをホームに還して余裕でアウト。

正田 それは(ランナーコーチが)止めなあかんですね。

高橋 しかも、次のバッターは4番の林なのよ。

正田 1000パーセントセーフでも、行っちゃダメですね。ホームランならサヨナラですから。

高橋 他にも代走が牽制アウトになったシーンも見た。走塁ミスがボロボロある。

正田 走塁は状況判断ですから、鍛えられていないと難しいですよね。点差やアウトカウントはもちろん、相手の守備位置とか肩の強さを頭に入れて走らないといけない。

高橋 俺たちは古葉さん(竹識/元広島監督)に徹底的に野球を叩き込まれたから、状況判断は完璧やったな。

正田 若手の頃に代走で試合に出て、1球目に盗塁のサインが出たけど、スタートを切れなかったんです。2球目以降に盗塁は成功させたんですけど、ベンチに帰ったらめちゃくちゃ怒られました。「アウトになってもベンチの責任なんやから」と。それから考えて野球をやるようになりました。

高橋 初球セーフになったら、バッターはラクやん。そこを考えるよな。

正田 そうなんです。そういえば、「左バッターは一塁ランナーが盗塁のスタートを切っても見えない」と言われることもあるんですけど……見えますよね?

高橋 見える、見える。ちゃんと準備してるから。走る時だって、肩越しに打球は見えるから、どこに飛んだかはわかる。点差とか相手の肩の強さを計算して、どこまで行けるか決めていく。そういう訓練が今のカープには欠けているかもしれない。

正田 そうですね。

高橋 三塁ランナーがバットに当たった瞬間にスタートを切るの、今は「ギャンブルスタート」って言うんやね。俺たち、普通にやっていたけど。ショウもヤマ(山崎隆造)も俺も、打球を見極めてもギャンブルスタートと同じスタートが切れるよな。

正田 普通にスタート切ったらええんでしょう?(笑)

高橋 見えるんよな。バットに当たる瞬間のボールの角度が。バットに当たってボールが下に向かったら「ゴー」。真っすぐなら「ライナーバック」。上に行ったら「タッチアップ」。今の選手はギャンブルスタートだと、ライナーで帰塁できないんやから。

正田 練習してないんでしょうね。練習していれば、体が反応しますから。

高橋 ショウがもう1回、カープのコーチをやったらええやん。

正田 いや、僕はもういいですよ(笑)。

高橋 俺の場合はほら、もう絶対に帰れないから(笑)。でも、俺は本気でそう思ってるよ。ショウが戻らなきゃ、誰も教えきれんもん。

正田 今の選手はできないんじゃなくて、教えてもらってないだけだと思います。

高橋 そう。だからもったいないよな。俺たちはその点、恵まれていたよ。いい指導者に出会えて、教えてもらえた。

正田 そうですね。若い頃は「もっと練習すれば、もっとうまくなるんちゃうか?」とその思いだけで練習していました。遊びを覚えてからダメになりましたねぇ(笑)。

高橋 そう? そこは俺とは違うとこやね。俺はむしろ、遊びを覚えてからポンといったから。うまいこと遊びと練習を両立できていたな。

正田 高橋さんはモテましたからねぇ。プロ野球選手の遊びも過激でしたし、今と違って写真週刊誌が少ない時代でよかったですよ。

高橋 まぁ、俺は撮られたけどな(笑)。

―― 最後に、お二人が期待するカープの選手を挙げてください。

高橋 俺は中村を使ってほしいんやけどな。

正田 あぁ〜、そうですよね。なんで使わないんですかね?

高橋 使う場所がないんよ。

正田 僕は小園ですかねぇ。

高橋 小園はよくなったね。

正田 はい。足は速いし。

高橋 でも、まだ「速い」だけなんよ。

正田 そうなんですよ。そこを教えてあげないと。

高橋 外野の野間(峻祥)にしてもそう。足が速いだけ。

正田 それじゃ陸上選手ですから。いい若手はまだまだいますよ。林もいるし。

高橋 羽月(隆太郎)だって芽が出てきた。

正田 十分に戦える戦力は揃ってきています。あとは経験や、きちんとした指導を受けられるかどうか。

高橋 うん、そのとおり。そう考えると、やっぱりショウがコーチをやるしかないな(笑)。

正田 またそれですか(笑)。

高橋 いやぁ、今日は楽しかった。今度は俺のYouTube番組に出てくれよ。

正田 はい。またよろしくお願いします!

(※引用元 web Sportiva

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