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「面倒を見ると決めたからには…」大瀬良と山口、『師弟関係』の軌跡

2021年11月6日

「面倒を見ると決めたからには…」大瀬良と山口、『師弟関係』の軌跡

「毎回俺のスマホに送って見せるように」

師弟関係の始まりは昨年12月だった。大瀬良は、右肘の手術明けだったことで、オフ期間の拠点を例年のマツダスタジアムではなく2軍施設の大野練習場に置くことになった。主に若手が集まる練習場所に大瀬良が毎日訪れる。不振に迷い込んで20年は1軍登板のなかった山口にとっては、すがるような思いだった。リハビリ中とは承知の上で勇気を振り絞った。「大地さん、一緒に練習したいです」。その日から大瀬良が山口の師匠になった。

チーム内で大瀬良の練習の厳しさを知らぬ者はいない。想像以上にハードなウエートトレや走り込みの連続に、19年オフに合同練習をしていた床田は「めちゃくちゃきつい」と言って、いつもの笑顔が消えたほどだ。お互いの練習の強度は異なるものの、基本的には同じメニューをこなす。2軍で厳しい練習に耐えてきた山口でさえも、大瀬良に付いていくだけで必死だった。

連日過酷な練習が続く中、大瀬良は山口を大野練習場から連れ出したこともあった。「三重に行くけど一緒にどう? 行って損はないから一緒に勉強しに行こう」。2人で訪れた三重県内の練習施設では、体格や筋肉量などを測定し、それに応じた練習をこなすこともできる。山口の数値を見た大瀬良は、やはりというような表情でうなずいた。「そんな体でよく投げてたな。もっといい球、投げられるよ」。

2月の春季キャンプが始まっても師弟関係は変わらなかった。山口だけでなく、手術明けを考慮された大瀬良も2軍スタートとなった。大瀬良は、全体練習が始まる90分前には球場に到着して患部のケアなどを始めた。すると、その姿を見た後輩たちも球場入りを早めて準備に時間をかけるようになったと言う。山口だけでなく、多くの若手にとっても大瀬良は特別だった。

そして、2月中旬に大瀬良の1軍合流が決まった。12月から見続けてきた弟子のそばから離れることになる。それでも面倒は見続けると決めた。「投球フォームの動画を撮ったら、毎回俺のスマホに送って見せるように」。そう山口に伝えてから2軍キャンプ地の宮崎・日南を離れた。

「面倒を見ると決めたからには、どんな状況でも助けてあげたい」

山口から動画が送られてくれば、前回の動画をスクショして比較するなど自分なりの感想を伝えるようにした。あるときはオープン戦の登板直前まで相談に乗ったかと思えば、本番を5回9奪三振無失点で片付けて山口を驚かせたこともあった。

しかし、師匠の願いとは裏腹に山口の状態は上向かなかった。三重を訪問した際に「このままだったらケガするよ」と伝えられた通り、今季は故障に苦しんだシーズンでもあった。山口は次第にネガティブ思考に陥り、冗談交じりに「既読がついてから、しばらく返信が来ないと“もう見捨てられたのかな……”とか思ったりします」と下を向くこともあった。

もちろん、そんなことはない。大瀬良は「簡単な気持ちでアドバイスできないから、ゆっくり考えてから返信したい」と言っていたこともある。返信までにかかる時間の長さは、師匠の律儀さをよく表していた。

「山口の方から一緒に自主トレをさせてほしいとお願いしてきた。僕もいいよと言って、面倒を見ると決めたからには、オフの間だけではなくて、シーズン中であろうと、どんな状況でも助けてあげたいと思った」

決して、今季の大瀬良に周囲を気遣えるほどの余裕があったわけではない。開幕直後に故障で約1カ月間の離脱を経験。復帰直後は不調にも苦しんだ。そうした苦境も乗り越えながら2年ぶりに2桁勝利を達成するなど、投手主将として結果と練習姿勢でチームの見本になり続けた。

一方の山口は2年連続で昇格機会が訪れず、師匠の奮闘をテレビ越しに見つめるしかなかった。それでも希望はある。今月8日に始まる秋季練習から1軍合流が認められた。アピール次第では、来春キャンプの1軍スタートもあるだろう。師匠から学んだ1年間の成果を見せる機会は残されていたのだ。2人の師弟関係は、まだ終わらない。(河合洋介)

(※引用元 文春オンライン

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