身長171センチ、体重68キロとプロの中では比較的小柄ながら、パンチ力を持つ。菊池涼は前半戦こそ主に一番打者に定着していたが、後半戦は六、七番に座り、下位打線で大きな存在感を示している。今季、本塁打はキャリアハイの16発をマーク。鈴木誠に次ぐチーム2位の数字を残した。
決してホームランバッターではない。ただ、一発を打てる力を秘めているだけに、相手投手にとっては厄介な存在だ。今季まで6年連続で2ケタ本塁打を記録しており、4月16日の中日戦(バンテリン)では、史上299人目となる通算100号を達成した。菊池涼は「100号というのは小兵にはうれしいものです」と素直に喜んだ。
圧倒的な守備力に目が行きがちだが、打力も持ち合わせているからこそ、毎年のように選抜チームに名を連ねている。7月16日に実施されたオールスター第1戦(メットライフ)では、一発を含む4安打2打点と活躍し、文句なしのMVPを獲得。東京五輪にも侍ジャパンの一員として出場し、金メダル獲得に貢献した。そんな球界を代表するスター選手が、広島の下位打線に座っている。
今季は5月に新型コロナウイルスに感染するなど、離脱を余儀なくされた。だが、コンスタントに安打を重ね、プロ2年目から9年連続でシーズン100安打を達成するなど、安定した成績を残し続けている。ときにはつなぎ役として進塁打に徹し、得点圏に走者を置けば、勝負強さを発揮する。打順関係なく、巧みな打撃センスでチームを勝利に導く。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)