長野久義の「巨人帰還トレード」でプロ野球ファンの高感度をアップさせた広島。そして、次に期待されているのがドラフト指名選手への神対応である。
広島のドラフト5位指名、河野佳(大阪ガス)が「入団拒否」の可能性についてコメントを出したのは10月31日だった。社会人野球・日本選手権の東京ガスとの1回戦後のことで、「心残りがある」と、複雑な胸中を吐露したのだ。
「河野は、プロ野球への憧れはあるものの、もしこのままプロに進んだら、社会人野球の最後の年に貢献できなかったという後悔が残る、と語っていましたね。また、下位指名だと、社会人投手としてのメンツにも関わってきます。広島の1位は高校生投手、斉藤優汰でしたし。ただ、河野はもともと『1位指名か』と言われていたほどの好投手です」(アマチュア野球担当記者)
その評価が下落した理由は、春に発症した扁桃腺にうみが溜まる病気による調整不足だという。
「河野は剛速球をガンガン投げ込むタイプではありません。多彩な変化球と直球のキレ、コントロールで勝負するピッチャーです。それもあって、本調子が出なかった今年は評価が難しかった」(在京球団スタッフ)
また、「キャリア」もマイナスに転じたという。河野は広島県の広陵高校から大阪ガスに進み、指名解禁となる3年目の今年、21歳になった。プロ野球スカウトの大半は、「あと1年、様子を見ても指名は遅くない。1年待っても大学卒と同じ22歳」と、指名見送りを決めたという。
こうして5位指名となった河野だが、前述のように彼は、状況によっては1位もあり得た逸材だ。広島としても失うには惜しい選手だろう。
気持ちが揺れている河野をつなぎ止めることができるのか、交渉の行方が注目されるのである。(飯山満)
(※引用元 Asagei Biz)