守備のベストナインを選ぶ三井ゴールデングラブ賞の表彰式が29日、東京都内で行われ、二塁手部門でセ・リーグ歴代最多タイの10年連続受賞となった広島・菊池涼介内野手(32)が出席。守備力の低下を指摘する声に本音で応えた。
2013年に初受賞。受賞者には金色のグラブ型トロフィーが贈られるが、NPBの斉藤惇コミッショナー(83)に「菊池さんは10個、家の中にどうやっておいているのかと考えてしまう」とジョークを交えながらたたえられた。
来季は1972―81年に外野手部門で受賞した山本浩二(広島)を抜く11年連続受賞に期待がかかるが、「浩二さんは超えちゃダメっしょ!」と〝ミスター赤ヘル〟に謙遜。12年まで延ばせば、日本タイ記録の福本豊(阪急)に肩を並べる。
20年に有効投票者数の94%にあたる283票を得るなどぶっちぎりの評価を得てきた名手だが、今年は同39%の114票まで下落。ヤクルト・山田に27票差まで迫られた。UZRに代表される守備指標の数値も下がり、近年の受賞にネット上などで厳しい声が飛んでいることは本人も把握。「それも含めて投票していただいているのだから、そこは胸を張りたい」と受賞を喜んだ。
人工芝と比べて不規則な打球が多い土のグラウンドが本拠地であるうえ、年齢を重ねるなかでプレーレベルを維持する難しさを痛感。20代と比べれば守備範囲が狭くなってきた自覚もあるが、他の選手を圧倒する好プレーはまだまだ多い。
「若いころと比べたら『あそこ捕れたのにな』と思う方もいると思う。自分も思うところは確かにある。若いころの思い切りと違って、試合状況やチームのことを一番に気にしている。その点、違った味が出ていると思う」。来季も目の肥えたファンをうならせる守備を魅せたい。(山戸英州)
(※引用元 夕刊フジ)