選ばれるか否か―。来年3月のワールドベースボールクラシック(WBC)に出場する日本代表メンバーに入るかどうかは、名誉の問題もあるが、来季開幕へも大きな影響がある。当落線上の選手たちは気が気でない年末を送っている。
エンゼルス・大谷、パドレス・ダルビッシュ、カブス・鈴木ら大リーガーが参加を表明し、事実上の内定となる中、11月の強化試合に選出されたメンバー以外にも予備登録に入った選手にはすでにWBC公式球が3ダース送られ、来年2月17日からの日本代表宮崎強化合宿に向けた準備が促されている。
ただ、過去の代表を振り返ってもWBC球を送られたことがそのまま代表入りを意味するわけではない。ボールが送られていても選外となった選手は少なからずいる。
今回、WBC球が送られてきたという投手は「もちろんWBC球を使って練習しているんですけど、分からないままやるのはきつい。自分が投手だから余計にそうでしょうけど、選出されるなら早めに仕上げないといけない。ダメなら長めにトレーニングの期間を取れる。代表入りなら2週間くらい早まるわけで、調整は全然変わってきますよ」と切実だ。
さらに「自分が入るか、そうでないかは本当に早く知りたい。むしろ聞いていませんか?」と取材記者に逆取材をする選手もいる。選外ならばシーズンに切り替えて調整を進めればいいが、「できれば年内、遅くとも1月前半には知りたいですね」と調整を切り替えるリミットもあるという。
WBCのメンバー発表は2006年大会が前年の12月9日、09年大会は前年の12月15日(翌年2月の合宿で5人落選)、13年大会は前年の12月4日にメンバー発表。しかし、17年大会は1月24日だった。
選手の訴えに「ギリギリまで考える」と熟考の構えの侍ジャパン・栗山英樹監督(61)はどう応えるか。ただ、内定しているだけでも相当の戦力は整っている。(片岡将)
(※引用元 夕刊フジ)