2023年3月に開催されるWBC。侍ジャパンの起用法で、注目されるのが守護神だ。救援陣は大勢(巨人)、松井裕樹(楽天)、栗林良吏(広島)、湯浅京己(阪神)の選出が有力視されている。
栗山監督の決断は…
栗林はプロ2年間で計68セーブをマーク。侍ジャパンに選出されたルーキーイヤーの21年東京五輪でも守護神を務めている。キャリアでいえば、松井が抜きん出ている。最多セーブ投手を2度獲得するなど、通算197セーブをマーク。湯浅はセットアッパーで大ブレークした若手の成長株だ。昨年43ホールドで最優秀中継ぎ投手に輝き、今季は岡田彰布監督の構想で守護神に回る。三振奪取能力が高いことから、侍ジャパンでも抑えを務める資質は十分にある。
大勢もこの3人に見劣りしない。新人の昨年は3月25日の開幕・阪神戦(東京ドーム)で40年ぶりの新人開幕戦セーブを挙げるなど、安定した投球を披露。新人最多タイの37セーブをマークし、新人王に輝いた。
スポーツ紙デスクは、大勢を侍ジャパンの守護神に推す。その理由は投球スタイルだという。
「球が速いだけの投手はメジャーの強打者に痛打される。大勢はスリークォーター気味の変則フォームで直球が大きくシュート回転する。シュート回転する球質は一般的に良くないと言われますが、大勢の球は威力十分で打者が差し込まれるため武器になっている。初対戦の打者はなかなか打てないでしょう。フォーク、スライダーの精度も高く、四球で崩れる心配がない。走者が出ても動じないし、国際試合向きの選手だと思います。抑えに抜擢されても重圧を乗り越えられるでしょう」
09年の第2回WBCでは当時阪神の藤川球児が抑えを務めていたが、準決勝、決勝は先発要員のダルビッシュ有(パドレス)が配置転換され、大会連覇を飾った。チームの運命を左右する大事なポジションを託す投手は――。栗山監督の決断が注目される。(中町顕吾)
(※引用元 J-CAST)