新井監督は初の指導者
今季は12球団中4球団で監督が代わった。西武・松井稼頭央監督、ロッテ・吉井理人監督、阪神・岡田彰布監督、広島・新井貴浩監督だ。松井監督はヘッドコーチからの昇格。吉井監督は2021年までロッテの一軍ヘッドコーチを務めて今回は2年ぶりのユニフォーム。岡田監督は2012年のオリックス監督以来11年ぶりの現場復帰。新井監督は2018年まで現役でその後は解説者。初の指導者ということとなる。
新井監督のようにコーチや二軍監督などを経験せずにいきなり監督となる指導者もいるが、2005年以降の優勝監督は以下のとおり(★は監督、コーチ、二軍監督など経験なし)。
●パ・リーグ
2005年 バレンタイン(ロ)
2006~07年 ヒルマン(日)
2008年 渡辺久信(西)
2009年 梨田昌孝(日)
2010~11、14年 秋山幸二(ソ)
2012、16年 栗山英樹(日)★
2013年 星野仙一(楽)
2015、17、20年 工藤公康(ソ)★
2018~19年 辻発彦(西)
2021~22年 中嶋聡(オ)
●セ・リーグ
2005年 岡田彰布(神)
2006、10~11年 落合博満(中)★
2007~09、12~14、19~20年 原辰徳(巨)
2015年 真中満(ヤ)
2016~18年 緒方孝市(広)
2021~22年 高津臣吾(ヤ)
18年間で16人の監督がリーグ優勝を果たしているが、そのうち指導者未経験のまま監督となって優勝したのは栗山英樹、工藤公康、落合博満の3人のみ。いずれも複数回の優勝を成し遂げている。
最下位からAクラスに引き上げたのは…
2005年以降、NPBのコーチなどを経験せず(選手兼任コーチと再任は除く)に監督になったのは以下のとおり(年度は就任年、<>数字は就任前年順位、※=GM、◎=捕手兼任)。
2005年 田尾安志(楽)― 6位
2005年 牛島和彦(横)<6> 3→6位
2006年 古田敦也(ヤ)<4> 3→6位 ◎
2010年 野村謙二郎(広)<5> 5→5→4→3→3位
2012年 栗山英樹(日)<2> 1→6→3→2→1→5→3→5→5→5位
2014年 谷繁元信(中)<4> 4→5→6位 ◎
2015年 工藤公康(ソ)<1> 1→2→1→2→2→1→4位
2016年 ラミレス(デ)<6> 3→3→4→2→4位
2016年 金本知憲(神)<3> 4→2→6位
2016年 高橋由伸(巨)<2> 2→4→3位
2018年 井口資仁(ロ)<6> 5→4→2→2→5位
2021年 石井一久(楽)<4> 3→4位 ※
2022年 新庄剛志(日)<5> 6位
2022年 立浪和義(中)<5> 6位
14人いるが、いきなり優勝したのは前述の栗山、工藤監督の2人。最下位だったチームをAクラスに引き上げたのは、ベイスターズの2人で2005年の牛島和彦監督とラミレス監督。牛島監督は翌年最下位に逆戻りして退任。ラミレス監督は2019年の2位を最高に5年間で3度Aクラスだったが、残念ながら優勝をすることはできなかった(2017年はCSを勝ち上がり日本シリーズ出場)。
一方、順位を下げたのは3人。2016年の金本知憲監督は3位からBクラスに転落。翌年は2位だったものの2018年は17年ぶりの最下位になり退任した。残りの2人は昨年就任した日本ハムの新庄剛志監督と中日の立浪和義監督。ともに前年5位のチームを引き継いだが、チームを引き上げることはできずに最下位に転落。今季の巻き返しが期待される。広島の新井新監督は、3連覇のあと4、5、4、5位と4年連続Bクラスのチームを引き継ぐ。指導者1年目の中、どこまで順位を上げられるのかも注目だ。(文=永山智浩、写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)