侍ジャパンのチーム編成に影響しうる一報が列島を駆け巡った。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表メンバーだった鈴木誠也(シカゴ・カブス)が、現地2月25日に行なわれるサンフランシスコ・ジャイアンツとのオープン戦前の練習中に、左脇腹の張りを訴えて出場を見送ったのである。
この一戦で「4番・ライト」でスタメン予定だった鈴木。しかし、試合前の練習中にフリー打撃を急遽取りやめ。大事を取ってクラブハウスを後にしたという。
今春の調整は順調と見られていた鈴木だけに、怪我による離脱は侍ジャパンにとっても小さくない痛手だ。地元紙『Chicago Sun Times』は「重症度と回復具合は不透明だが、最低でも1週間は様子を見る必要がある」と指摘しており、状況次第では大会欠場の可能性もある。
チーム編成において栗山英樹監督は「(日本は)とくに左打者が多いから、右打者がどうしても必要」と訴えているだけに、合流が遅れる可能性が高まった鈴木の状況は懸念材料だろう。
そうしたなかで、怪我を余儀なくされた鈴木を慮ったのが、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)だった。26日にライブBPを終えた36歳のチーム最年長右腕は「スプリングトレーニングはそういうことが多々ある」としたうえで、こう続けた。
「とにかくシーズンが一番大事な役割だと思う。シーズンには間に合うような感じだったので、そういう意味ではホッとしました」
かねてから「楽しむ」とWBC参戦の意味を語ってきたダルビッシュだけに、今回も自身の考えを貫いたと言えよう。
とにかく長丁場のレギュラーシーズンを考えれば、勝負のメジャー2年目に挑む鈴木も無理は禁物だ。それだけに侍ジャパンの首脳陣は、代替選手のピックアップなど新たなプランを模索する必要がありそうだ。(羽澄凜太郎)
(※引用元 THE DIGEST)