開幕直後の時期ではあるが、各チームの明暗がくっきり分かれてきている。ロケットスタートとなったのは球団史上初の開幕5連勝を飾り、リーグ3連覇へ向け視界良好なスタートを切ったヤクルトと未だ負けなしの4連勝と勢いをつけてきた阪神。一方、新体制となった新井貴浩監督率いる広島は0勝4敗と苦戦が続いている。
15年ぶりに古巣復帰となった岡田彰布監督の采配、起用に注目が高まる中、球界からも様々な考察の声が出ている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者の高木豊氏は5日に更新した自身のユーチューブチャンネルで、4日に行われた広島・阪神戦(マツダスタジアム)の内容を振り返った。
特に注目したのは両軍の指揮官の表情や仕草だったという。昨年まで矢野監督が指揮を執った阪神では選手がホームランを打った際には「虎メダル」を首からかけたり、パフォーマンスも目立ったが「ああいうことで集中力、気がなくなる」と高木氏は指摘。岡田体制となり、選手が活躍しても過度なパフォーマンスは行わなくなったことで、すぐ次のプレーに切り替えられているとした。そのことで「スキがなくなってきている」とより試合に集中し、好循環が生まれていると見る。
ほかにも現在チームが好調な要因としては打順固定、送球に難があった中野拓夢が二塁コンバートにより守備が安定したこと、主砲・大山悠輔の状態の良さ、磐石の中継ぎ陣などを要因としてあげた。
一方、開幕から4連敗と苦戦が続く広島に関しては新井新監督がまだ場慣れしていないこともあり「どうやっていいのかが分からない」のではないかと推測。コーチ経験もなく、いきなりの指揮官となったこともあり、試合中のしぐさにも気になる点があったとした。
自軍の選手がアウトを取られても手を叩いている場面を取り上げ「ミスしてもいい、切り替えていこうという意図かもしれないが、そういうチームは勝てない」と指摘。続けて「失敗を許すようなチームで強いチームはいない」として、勝負に向き合う姿勢の違いが勝敗の差にも現れていると見ている。
4日の試合では4-4で迎えた9回の攻防で、同じ一死一塁の場面を作りながら、エンドランを仕掛け、得点圏に走者を進めた阪神は大山の適時二塁打で勝ち越しに成功。一方、9回裏、広島は同じシチュエーションで代走で送られた大盛穂が湯浅京己の一塁けん制でアウトに倒れた。しっかりチャンスをものにした阪神と勝てない広島にはこういったワンプレーにも差が出ている。
シーズンはまだ序盤、鯉の季節を前に苦しんでいるカープにも早く白星が欲しいところだ。
(※引用元 CoCoKARA)