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苦手な交流戦の前に…広島ファンが気が気でない「G7サミット」余波

2023年4月23日

苦手な交流戦の前に…広島ファンが気が気でない「G7サミット」余波

GW明けにやってくる大きな試練

広島東洋カープが4月18日の阪神戦を落とし、首位陥落となった。まだペナントレースは始まったばかりであり、順位を気にするときではないが、守護神・栗林良吏(26)を投入しての逆転サヨナラ負けだ。新井貴浩監督(46)は、

「そりゃ打たれることもあるんでね。また次もね、ウチのクローザーですからね。次も信頼して送り出したい」

と栗林をかばったが、「いいですか?」と取材陣に聞き直して、会見を一方的に打ち切ってしまった。

「3月のWBC大会を途中で離脱したように、栗林は本調子ではありません。20日現在、1位のヤクルトから4位の広島まで横一線状態だけに、今が正念場でしょう。」(ベテラン記者)

しかし、カープナインと新井監督にとって、本当の試練がやってくるのは「5月のゴールデンウィーク(GW)明け」だという。というのも、新井カープは大きな“ハンディ”を抱えていた。5月GW明けの8日から22日まで、異例の「長期ロード」に出なければならないのだ。

「5月に広島でG7サミットが開催されます。その影響でマツダスタジアムをほとんど使えない状況になったためです」(NPB関係者)

G7サミットは5月19日からの3日間だが、その準備や警備などもある。海外メディアも大挙してやってくる。宿泊ホテルを来日する各国要人、海外メディアに提供しなければならないため、長期遠征に出てもらうことになった。

「5月2日から4日までは横浜スタジアムでDeNA3連戦が組まれています。5日から7日までマツダスタジアムで阪神3連戦を行い、その後は岐阜、名古屋、東京、横浜、大阪と転戦します」(前出・同)

5日からの阪神3連戦でマツダスタジアムに一時帰還できるが、このスケジュールはむしろ、カープナインを疲れさせてしまいそうだ。書き入れ時でもあるこの時期、「せめて1節くらいはマツダスタジアムにも」とNPBが気を遣ってくれたのかもしれないが、横浜-広島間の移動は時間を要する。そのため、DeNA3連戦の最後の5月4日は午後2時スタートのデーゲームだが、試合終了後に新幹線に飛び乗る予定となった。5日からの阪神3連戦は全てデーゲームだ。もし、4日のDeNAとの試合が延長戦に突入した場合は早朝移動となり、マツダスタジアムに直行しなければならない。

「プロ野球選手が体力的につらいと思うのは、ナイターの翌日がデーゲームになることです。デーゲームでも試合開始の4時間前には球場入りし、体を動かさなければならないので睡眠不足になってしまうんです」(前出・ベテラン記者)

長期ロードと言えば、阪神が高校球児に本拠地を明け渡す「夏の甲子園大会」が思い出される。星野仙一氏が阪神監督を引き受けていたころ、宿泊ホテルがリッチになったことなどを挙げて、「長期ロード=ハンディ」ではないと訴えていたが、冒頭の栗林の不振をさして、こんな指摘も聞かれた。

長期ロードで選手にかかる一番の負担

「長期ロードのハンディとは、ホテル暮らしや移動による疲れだけではありません。練習施設が使えなくなることです。ホームゲームとなる球団側も配慮してくれますが、時間、スペースともに限りがあります。それに、他所さまの施設なので勝手も異なります。不振選手は練習施設での調整を重ねながら復調していくものなので」(関係者)

NPBは全国区のスポーツジムと契約し、シーズン中であれば、プロ野球選手は自由に利用できるようにしているが、グラウンドでボールを使った練習は限られた時間でしかできない。また、ホームチームのサブグラウンドを借りられないときもあるという。

「阪神は免疫ができていますからね。そういう歴史というか、今のレギュラー選手が生まれる前から、『8月は長期遠征』と決まっていましたから、抵抗感がないんです。阪神選手は長期ロードが年間スケジュールとして、体に刷り込まれている感じです。カープナインは初めての経験であり、5月というのも…」(前出・ベテラン記者)

マツダスタジアムに帰還した後の日程も気になる。

中日、ヤクルトとの6連戦を行った後は「セ・パ交流戦」に突入する。セ・リーグ全体が交流戦を苦手とする傾向は否めない。昨年、一昨年はセ・リーグがトータルで勝ち越したものの、広島は2019年から「3年連続最下位」の“一人負け”状態なのだ(20年は中止)。その原因は不明だが、広島ナインも交流戦には強い苦手意識を抱いており、5月で「壊滅的なダメージ」を負ってしまう危険性も高い。

「そもそも、序盤戦の広島を勢いづけたのは絶不調の巨人です。新井監督は開幕4連敗の苦しいスタートとなりましたが、4月7日からの巨人3連戦で3連勝し、借金を帳消しにしました。本当に強いのかどうかはまだ判断できません」(前出・同)

そんなシビアな評価も聞かされると、異例の長期ロードの影響がますます心配になってくる。広島1区を選挙区とする岸田文雄首相は「私は生まれた時からカープファン」と公言する熱烈な鯉党で知られる。G7サミットも大事だが、カープの行方も気になって仕方ないのでは…。

(※引用元 デイリー新潮

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