今季が就任1年目の新井貴浩監督率いる広島が好調を維持している。広島は6日に行われた阪神戦(マツダ)に4-0と勝利。一発攻勢と投打がかみあい、カード勝ち越しを決めた。順位は3位と変わらずも首位・阪神に2・5ゲーム差に迫っている。
先発の野村祐輔は6回まで阪神打線を散発3安打に抑え、後続につないだ。打線も2回二死一塁、小園海斗が今季1号となる先制2ランをマーク。3回にも西川龍馬の適時打が飛び出し、ゲームを有利に進めた。打線は8回にも1点を加え、最後は矢崎拓也が締めて、4投手による完封リレーを完成させた。
これで首位阪神とは2・5ゲーム差。快進撃を続ける広島について球界内からも様々な考察の声が出ている。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者の高木豊氏は5日に更新した自身のユーチューブチャンネルで各球団の戦いぶりを振り返る「6月総評」という企画テーマの中で広島について触れている。
交流戦は5割と一進一退の戦いを続けた中で、リーグ戦再開後のチームにとって大きかったのは、開幕投手も務めながらなかなか勝ち星がつかなかった大瀬良大地に24日の巨人戦(マツダ)で勝ち星をついたことをあげる。7回無失点の好投で3勝目をマーク。
投手陣の柱が勝ったことで床田寛樹や森下暢仁といった後輩投手陣にも勢いがつき、波に乗っていったことが大きいとした。
さらに野手で高木氏が注目したのは「田中広輔が良くなった」。4日の阪神戦でも3ランを放つなどプロ10年目の34歳のベテランが息を吹き返したことで、チームに活性化をもたらしたと見る。
田中がレギュラーに復帰したことで、二塁手菊地涼介との二遊間コンビも復活。「ここらへんがやっぱりいいね」と高木氏。最近は小園が昇格したことにより、三塁を守ることが増えている田中だが、内野守備に安定感を与えているとも指摘した。
さらにチームはここまでに38盗塁を記録。俊足の選手も多く、得点につなげる大事なキーポイントともなっている。
古くは高橋慶彦氏やトリプルスリーも達成した野村謙二郎氏、金本知憲氏など、足を絡めた攻撃はチームの伝統ともいわれるだけにこの点についても「カープ野球健在というね」と伝統が今のチームにも引き継がれているとした。
元々先発ピッチャー陣は良いだけに、夏場以降も安定した戦いを高木氏は予想した。
指揮官1年目のシーズン、開幕前から「胸を借りるつもりで、チャレンジャー精神でぶつかっていきたいと思います」と謙虚な姿勢を崩さなかった新井監督が堂々とペナント争いの主役に躍り出る日も近そうだ。
(※引用元 CoCoKARA)