新任の新井貴浩監督率いる広島が快進撃を続けている。
首位攻防となった29日の阪神戦(甲子園)は延長12回を戦い、2-2のドロー。先発した森下暢仁が6回途中にアクシデントで降板する場面もありながら後続の投手陣が粘り、点を与えなかった。遊撃を守る矢野雅哉のファインプレーなどもあり、両軍一歩も引かず、見応えのあるゲームとなった。
球宴をはさんで10連勝を成し遂げるなど、快進撃を続けるチームには球界内からも様々な考察の声が上がっている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた高木豊氏は29日に更新された自身のユーチューブチャンネルで7月の各球団の指揮官の戦いぶりを振り返る企画を行っている。
その中で現在リーグ2位の広島に関しては「満点パパだよね」として、新井監督のチームのまとめかたを評価。
中でも着目したのは選手起用の上手さだった。
7月の1か月の間には主砲の西川龍馬が故障離脱するなどのピンチもあった。
それでもその間は、菊池涼介や上本崇司が4番を務めたりと従来の4番打者のイメージにはない選手を柔軟に起用するなどして、乗り切ってきた。
こういった4番起用に関して高木氏も「(チームとして)よし絶対つないでいこう!という統一感が見られる」とチームとしての意思統一が図れていることが大きいとした。
さらに評価を高めたのは選手再生術にもあった。開幕一軍でスタートしたものの、一度は二軍落ちした小園海斗を再昇格させてからは粘り強く起用して戦力として立ち直らせたり、不振が続いた守護神・栗林良吏に関しては1度抑えを外した上で、再度セーブシチュエーションで起用し、セーブを上げさせ、自信につなげたりとモチベーション維持につなげている。
このような選手起用に対し高木氏は「やりかたはすごく選手の気持ちをかきたてるというか、(選手に)刺激を与えるという意味では本当によくやっている」と強くたたえた。
また、このような刺激の入れ方に関しても「(選手の)ケツを叩くわけではなく、その心に訴えかけるというか、そういうことを感じられる」とコメント。根底にある選手への信頼をしっかりと打ち出すことでチームに一体感を生み、好循環が起こっているとした。
どのチームも欠くことができない主力選手はいるものだが、いざ欠けたときに苦しむのが常。そこを主力が欠けながらもうまくカバーしあいながら戦っていることで「総合力で戦うという面では新井監督はうまいな」と新任監督の選手起用のたくみさに舌を巻く場面も。
4連敗スタートだった開幕からV字回復、シーズンを戦っていくことでめきめきと力をつけて、今や優勝争いの鍵を握るチームともなっている。今後も楽しみな戦いが続きそうだ。
(※引用元 CoCoKARA)