野球日本代表「侍ジャパン」の新監督候補が、中日、巨人で活躍した井端弘和さん(48)で一本化されたことが24日、分かった。日本野球機構(NPB)は、今春の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に輝いた栗山英樹監督(62)の後任探しを水面下で着手。「侍ジャパン」で選手としても、コーチとしても豊富な経験を持つ井端さんに託すことでまとまった。2024年11月の第3回プレミア12までの任期を基本線に近日中に交渉する。
大谷翔平の胴上げ投手で世界一奪還を果たしてから約6カ月。侍ジャパンの次期監督人事に大きな進展があった。中日、巨人で活躍した井端さんに就任要請することで一本化された。
第5回WBCで日本を頂点に導いた栗山監督は5月末をもって任期満了で退任。それでもNPBは水面下で続投を模索してきたが、大会後の栗山監督は「次は若い世代に…」と強い意向があり、結果的に翻意することはなかった。
そこでNPBは、すぐさま後任の監督人事に着手。「若返り」「複数球団でプレー」「侍ジャパンで国際大会を経験」などを監督条件として、40~50人ほどのリストを作成した。前ロッテ監督の井口資仁さん、西武や中日、大リーグで活躍した松坂大輔さん、ロッテ・吉井理人監督…。ズラリと並んだ候補者で最終的に白羽の矢を立てたのが井端さんだった。
選手としては、03年のアテネ五輪アジア予選、07年の北京五輪アジア予選、13年の第3回WBCに出場。13年WBCでは、2次ラウンドの台湾戦で1点ビハインドの9回2死二塁という土壇場から同点中前打を放ったのは、今も語り草だ。5割5分6厘の高打率を残し、大会のベストナイン(指名打者部門)と東京ラウンドMVPに輝いた。
指導者としても、17年の第1回アジアプロ野球チャンピオンシップ、19年の第2回プレミア12、21年の東京五輪で侍ジャパンのコーチを務め、いずれも優勝に貢献。また、昨年と今年は2年連続でU―12日本代表の監督となり、今年は前年の7位から4位に躍進する好成績を残した。
卓越した野球理論と指導力は評価が高い。年代の垣根を越え、今年は大学日本代表と高校日本代表の臨時コーチにも呼ばれ、大学代表は日米大学野球選手権で優勝、高校代表はU―18W杯で初優勝を飾った。
NPBと井端さんは24年11月の第3回プレミア12までの任期を基本線に交渉するとみられる。受諾すれば、今年11月に東京ドームで開催される第2回アジアプロ野球チャンピオンシップが初陣となる。
▼井端弘和(いばた・ひろかず) 1975(昭和50)年5月12日生まれ、川崎市出身の48歳。堀越学園高、亜細亜大を経て、97年のドラフトで中日に5位指名された。荒木雅博との「アライバコンビ」で鉄壁な二遊間を築き、中日の黄金時代を構築。14年に巨人へ移籍し、15年限りで引退。16年~18年は巨人で内野守備走塁コーチを務めた。通算成績は1896試合に出場し、打率2割8分1厘、56本塁打、510打点。通算1912安打、149盗塁。ベストナイン5度、ゴールデン・グラブ賞7度。
(※引用元 中日スポーツ)