若鯉たちが奮闘する姿を満足そうに見つめた。「こちらが想像していた以上の、いい競争を見せてくれてると思います。ここまでは、もう100点満点!」と、新井貴浩監督は約2週間の宮崎・日南キャンプを打ち上げた。
指揮官の言う「競争」は、特にオリックスにFA移籍した西川龍馬が抜けた外野一枠を巡るバトル。
2023年ドラフト7位の久保修が紅白戦2試合で7打数5安打と大暴れすると、昨季は育成1年目で支配下登録を勝ち取った中村貴浩も2戦4安打2打点、20歳・田村俊介も2戦3安打1打点と猛アピール。第2クールから加わった中村奨成も含め、高いレベルの争いを繰り広げた。
新井監督は、就任1年目の昨季から「若いの出てこいや!」という姿勢を一貫する。
今キャンプではチーム最年長38歳の松山竜平、33歳の上本崇司、31歳の野間峻祥の3人に対して調整を任せる形で第2クールから二軍に回し、代わりに実戦形式の練習では二軍からの入れ替えを含めて計19人を一軍練習に参加させた。
ほぼ全選手にチャンスを与える形をつくり、激しい競争をあおる。
今オフは外国人4人を入れ替えした以外、目立った補強はなし。だからこそ、若鯉の台頭は絶対不可欠だ。指揮官は「おそらくですけど、また私たちのチームに対する評価は厳しいものになると思う」と、昨季以上に低い下馬評を予想する。
「今から私は鼻息を荒くしています。『よしッ、見とけよ! やっちゃるけえの!』という、そういう気持ちです」。自身が現役引退した18年以来のリーグ優勝しか見えていない。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)