2位に5.5ゲーム差で首位を走る広島だが、打線はともかく投手陣に前年までの安定感はない。
6月25日現在、チーム防御率でも前年の3.39に対し、今季はリーグ4位の4.21(前年は3位)。先発、リリーフの比較では先発が3.71から4.25、リリーフが2.77から4.13。特に救援陣の悪化が顕著だ。
もちろん、これはリリーフ陣の責任だけではない。先発陣の不振から負担が増え、数字が悪化している面もあるが、これからの戦いで重要なポイントであることは間違いない。
特に課題になるのは7回だ。
6月24日の阪神戦(甲子園)でも最後は9回に鈴木誠也の満塁弾などで5点を奪い11対6と勝利したが、6対1とリードしながらリリーフ陣が崩れ、6回に2点、7回に3点を奪われ、一時は同点とされている。
現状で7回は、イニング別ではワーストの43打点、被打率.286、被本塁打7となっている(次点は初回で42打点)。
2017年と比較すれば非常事態が分かる。全試合消化時点にもかかわらず17年の7回は47打点、被打率232、被本塁打9だ(最多打点は5回で71)。
まさに「魔の7回」となっている。
現状、8回はジャクソン、9回は中崎翔太で盤石ではないものの確立しているが、そこにつなぐ7回を担う今村猛が防御率4.50と安定しない。
今村の7回の成績自体は63打数19安打で被打率.190とまずまずなのだが、被本塁打2、四球8と安定感を欠き、今村が出した走者を後続がかえしてしまうケースもある。
ほかの投手の7回はさらにひどい。九里亜蓮が29打数13安打の.448、アドゥワ誠が25打数8安打の.320、中村恭平が15打数7安打の.467、中田廉が15打数7安打の.467、藤井皓哉が11打数6安打の.545とサンドバック状態だ。
唯一7回を得意とするのは先発の大瀬良大地で23打数1安打、被打率.045に抑え込んでいる。
現状では打線が7回に44打点を挙げ、失点とトントンにはしているが、6回から9回の打率は17年が.270、今季が.258と17年ほどの勢いはない。
打線は水物とも言われ、夏場に必ず調子を落とすときもあるだろう。打線にそれなりに勢いがあり、また球宴休みも近づく、いまのうちにブルペンを再構築するのが、3連覇の道をより確実にするはずだ。(写真=BBM)
(※引用元 週刊ベースボール)