広島のドラフト1位ルーキー・栗林良吏の勢いが止まらない。開幕からクローザーに抜擢されると初登板から快投を続け、5月4日の巨人戦で開幕14試合連続無失点の新人記録を達成。交流戦を迎えた時点でリーグ3位の9セーブ、無失点記録は17試合まで延ばしていて防御率は当然0.00である。
この快投の秘密は一体どこにあるのだろうか。
栗林の場合、何と言っても際立つのは三振奪取能力の高さだ。ここまで17.2イニングを投げて29奪三振。9イニング平均では14.77、対戦打者ベースにすると実に46.8%から三振を奪っている計算になり、これは10イニング以上の投手では12球団トップの数字だ。しかも、2位のR・マルティネス(中日)が41.4%、3位の平良海馬(西武)が36.8%と、栗林の数字は明らかに頭一つ抜けている。
なぜここまで三振を多く奪えるのか。まず、栗林の球種別投球割合を確認しておこう。最も多いストレートが43.1%、フォークの28.6%、カットボールが17.6%、カーブが10.6%となっている。
その中でも目につくのはやはりフォークの威力だ。空振り率35.6%は全球種を通じてもマルティネス(ソフトバンク)のチェンジアップに次ぐ高さ(50投球以上)で、被打率もわずか.037。今のプロ野球界で最も攻略不可能な球種の一つと言っても過言ではないだろう。
真っすぐで空振りを奪えるのも栗林の大きな強みだ。ストレートの空振り率16.4%は何と日本人トップ(12球団1位はソフトバンクのモイネロで22.8%)。このストレートとフォークを、右打者に対しても左打者に対してもアウトローに集める投球が軸となっている。
栗林の球種別成績を見ると、改めて彼の支配力のすさまじさが分かる。先述したように、ストレートとフォークは極めて高い空振り率を記録し、被打率もそれぞれ.111、.037(!)とまさにアンタッチャブル。この2球種に加えてカットボールも被打率.167と優秀で、おまけにカーブも織り交ぜてくるとなると、攻略はほとんど不可能なように思えてくる。
ただ、フォークはその変化の特質上、見逃せばストライクゾーンを外れることが多い。実際、栗林も投球全体の半分以上(57.6%)はボールゾーンへの投球となっていて、17.2投球回で7四球を与えている。フォークをしっかり見極めてボール先行のカウントにしていくことが、基本的な攻略ポイントになりそうだ。
果たして栗林の投球はパ・リーグの名だたる強打者相手にも通用するのか。交流戦を終えても無失点記録が継続していれば、田島慎二(中日)が2016年に達成した開幕からの無失点日本記録(31試合)更新も視界に入ってくる。
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神様仏様
栗林様
\#栗林良吏 まさに救世主1アウト満塁の大ピンチに緊急登板、完璧にしのいでみせた
⚾#プロ野球 (2021/5/8)
中日×広島
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(※引用元 THE DIGEST)