カープに鯉

広島カープへの想いを届ける記事を掲載♪「カープ関連」のLINEスタンプも紹介してますヾ(*≧∀≦)ノ゙

前田智徳は代打としても『質、レベル』ともに傑出していた/谷繁元信

2018年8月17日

前田智徳は代打としても『質、レベル』ともに傑出していた/谷繁元信

「打ち取った」ではなく「打ち取れた」

キャッチャーとしてマスク越しに見た代打論を語っていきましょう。どういうタイプが嫌で、どういうタイプがくみしやすいのか。やっぱり、初球からしっかりタイミングを取れて、来たボールに対してスイングできる代打は嫌でしたね。

一方で、代打というのは基本的に、1球でボールを仕留められないだろうと思っていました。その日初めて見る生きたボールを初球から振りにいって、しっかり合わせてくるバッターというのは皆無に等しかったといっても過言ではありません。

ですから、キャッチャーの立場からすると、とにかくワンストライクは取れるだろう、と。本当の勝負どころ以外の場面では、ピッチャーには初球ストライクを要求していました。

真っすぐでファウルを打たせようとするのか、変化球を見送らせてカウントを整えるのか、そこは判断になるんですけど、代打イコール、ボールから入って様子を見ようという考えは少なくとも僕にはなかったです。

それだけバッテリーは、代打を迎えた場合、精神的優位に立っているということです。ですから代打にポンと出てきてヒットを打つのは至難のワザなんです。

スタメンで出ている選手というのは、それまでの打席で何度かスイングしたりボールを見る中で、そのスピードに慣れたりしてるわけじゃないですか。逆にいえば、まったくプロセスがないまま打席に入って、一振りで仕留めることができていた人というのはすごいんです。

そこで思い出したのは広島の前田智徳です。彼の場合は、たとえファーストストライクが取れたからといって、こっちが有利になったとは感じないんです。追い込まれても普通の野球選手にはないバットコントロールの技術を持っていた。

ですから仮にアウトにしても、言葉で表現すると「打ち取った」ではなくて、「打ち取れた」になるんです。ほかの代打というのは、こう打ち取ってやろうというイメージどおりに「打ち取った」、でも前田の場合は「よかった、打ち取れた」。

それぐらい前田のバッターとしての質、レベルは傑出していました。バッターボックスでもオーラ、雰囲気は感じましたよ。それだけのバッターだということをファンの人も含めて周りも認めているし、ピッチャーも感じていたはずです。 (写真=BBM)

(※引用元 週刊ベースボール

関連記事

強さを取り戻せるか、暗黒期に逆戻りか…2020年は大きな分岐点!

強さを取り戻せるか、暗黒期に逆戻りか…2020年は大きな分岐点!

セ・リーグ三連覇から一転、昨年は4年ぶりのBクラスとなる4位に終わった広島カープ。2年連続MVPの丸佳浩がライバルの巨人に移籍し、リードオフマンの田中広輔も故障で長期離脱するなど、チームの看板だった“ …

あまりに不公平、「急ブレーキ」の原因はマツダスタジアムの『酷暑』

あまりに不公平、「急ブレーキ」の原因はマツダスタジアムの『酷暑』

今夏、筆者は「今年の夏は、野球観戦に耐えうるのか」を体感するために、各地の球場に出向いた。高校野球の地方大会、甲子園、プロ野球、独立リーグなど、真夏の観客席で観戦しまくった。 7月後半から9月中旬まで …

元広島・梵が社会人野球へ転身、カープの低迷期を支えた名遊撃手

元広島・梵が社会人野球へ転身、カープの低迷期を支えた名遊撃手

元広島・梵が社会人野球へ転身 広島の二塁手はもう何年も菊池涼介で不動だ。抜群の身体能力を持つ菊池が、なぜ守備範囲や肩の強さが最も活かされる遊撃手ではなく、二塁手を守るようになったのか、疑問に思ったこと …

Archives by Month

新着記事