プロのスカウトから熱視線を注がれる「ドラ1確実」の逸材たちを大紹介。読めば、指名発表が待ち遠しくなる!
10月25日、いよいよプロ野球のドラフト会議が行われる。今年は野球ファンに限らず、一般的にも知名度の高い選手たちが、その主役となりそうだ。「昨年のドラフト終了後から、“2018年は不作の年”と言われてきました。しかし、今年8月に行われた夏の甲子園の盛り上がりで、そんな前評判は一変。大会で注目を集めた超高校級のスターたちが、ドラフト候補の中心に躍り出ました」(スポーツ紙デスク)
甲子園で活躍した球児の中で、特に大ブレイクした選手といえば、やはり金足農の吉田輝星だろう。「以前からプロ注目の投手ではありましたが、この大会でドラ1位指名確実の選手となりましたね」(前同)
吉田は、県大会1試合目から甲子園決勝で途中降板するまで、一人で1517球を粘投。“カナノウフィーバー”の立役者として、全国区の大スターとなった。「彼の最大の長所は、キレのある速球。回転数が多いので手元で伸び、打者はスピードガン以上に速く感じるようです。まだまだ伸びしろがありますし、何より人気の高さも大きなポイントです」(プロ球団関係者)
さらに、甲子園では“ギアチェンジ”、つまり要所を締める投球術を見せて、プロのスカウトを唸らせた。雑誌『野球太郎』の持木秀仁編集長も、吉田の素質をこう絶賛する。「吉田投手は非常にクレバーで、上背はないものの、それを補ってあまりある力と技術がある。だいたい、日本のトップレベルが集まる甲子園で“ギアを上げる”なんて芸当は、並みの投手にはできませんよ」
そんな吉田は、甲子園決勝の翌日に“巨人に行きたい”と発言し、大きな話題になった。一時は大学進学も囁かれたが、プロ志望届を提出し、複数球団の指名は確実視されている。
しかし実は、吉田を除いて、今年のドラフトの大きなポイントとして挙げられているのは、ズバリ“即戦力のピッチャー”。今年のペナントレースを見れば、それは一目瞭然だという。「パ・リーグを制した西武は、防御率がリーグ最下位で、セ優勝の広島も4点台。つまり、今の球界は完全な“打高投低”なんです。どこも投手不足なので、すぐに活躍できるピッチャーはノドから手が出るほど欲しいはず」(前出のデスク)
大学生に4人の有望株
そんな状況もあって、各球団は即戦力投手を優先してリストアップ。今年は大学生に4人の有望株がおり、「1位指名が集中しそう」(前同)なのだという。中でも、今年度のナンバーワン投手との呼び声も高いのが松本航(日体大)。もともと松本は、高校時代からプロの注目を集めた逸材。今年は大学日本代表のエースとして活躍し、国際大会で2度、最優秀投手を獲得している。「MAX155キロの速球はもちろん、5種類の変化球は、どれでも勝負できるほどレベルが高い。そして、最大の持ち味はコントロールの良さ。大崩れはしないでしょう」(プロスカウト)
そんな松本に匹敵する実力を持つ、残り3人の有望株は、全員が同じ大学のチームメイト。東洋大の“150キロトリオ”上茶谷大河、甲斐野央、梅津晃大だ。「今年3月、東洋大と楽天2軍とのオープン戦で、この3人が全員登板。それぞれ150キロ超えのストレートをビシビシ投げ込み、プロの打線を相手に0封。スカウト陣も、楽天首脳陣も絶賛の嵐でした」(スポーツ紙記者)
まずはMAX151キロの上茶谷。1試合20奪三振をマークしたこともある“ドクターK”で、「スプリットのキレが抜群。先発投手として完成度が高く、安定感もある」(前出のプロスカウト)
先発ローテ入りも十分期待できる即戦力投手だが、「4年生になってから急激に才能が開花」(前出の持木編集長)しただけに、成長も期待できそうだ。
続くはMAX153キロの梅津。チームでは上茶谷に続く先発2番手で、実績も物足りないが、将来性では他の2人をもしのぐ存在だと評価されている。「187センチから投げ下ろす、スケールの大きいピッチングが魅力的。まだ荒削りですが、ポテンシャルは計り知れない。大化けしそうなタイプですね。球速は、さらに上がるでしょう」(プロスカウト)
そして3人の中で最速を誇る甲斐野は、なんとMAX159キロ。チームのクローザーとして活躍し、大学日本代表でも守護神を任された。U-18アジア選手権の壮行試合では、高校日本代表の“ドラ1候補”たちをピシャリと抑え、格の違いを見せつけている。「力のある速球も、落差の大きいフォークも一級品。東洋大3人衆の中でも、完成度は一番でしょう。今は抑えですが、先発でもいけそうですね」(前同)
甲子園を沸かせた超高校BIG3は!?
2010年のドラフトでは、早大から斎藤佑樹(日ハム)、福井優也(広島)、大石達也(西武)の3人が1位指名された。今年、東洋大の“同一大学3人1位指名”の可能性も高い。
3人衆といえば、今年のドラフトで野手の目玉となるのも、3人の高校生。甲子園を沸かせた“超高校級BIG3”の根尾昂、藤原恭大(ともに大阪桐蔭)、小園海斗(報徳学園)だ。この3人は「1位じゃないと絶対獲れない」(プロスカウト関係者)とまで言われる逸材。
特に根尾は、今年度の野手で、圧倒的ナンバーワン評価。複数球団の競合必至といわれている。スカウト陣が舌を巻くのは、その野球センス。投手と遊撃手、そして外野手まで高いレベルでこなし、長打力のあるバッティングまで持ち合わせている。「ソフトバンクの王貞治会長も、根尾の高い身体能力を“野手になれば、すぐにトッププレーヤーになる”と絶賛。最速150キロをマークした投手としての能力も捨てがたいですが、プロでは野手専念が基本線となりそうです」(前出のスポーツ紙記者)
しかし、その一方、根尾を野手だけにとどめておくのはもったいないという声も上がっている。持木編集長も、大谷翔平以来の“二刀流挑戦”に期待を寄せる。「大谷のような160キロとはいかないまでも、150キロは投げるわけですし、高校生レベルとは思えない投球術も持っている。バランス感覚が優れた選手ですから、個人的にはぜひ二刀流を追求してほしいですね」 根尾のずば抜けた才能を持ってすれば、投手・打者・野手の“三刀流”すら見られるかもしれない。
大阪桐蔭のもう一人の逸材・藤原は、豪快なバッティングが持ち味の外野手。今年夏の甲子園では、3本のホームランを左中右と、すべて別方向に叩き込んだ。「長打力はもちろん魅力ですが、守備と走塁も、すぐにプロで通用するレベル。50メートル5.7秒の俊足で、しかも強肩なので、守備範囲が広い。かなり高い水準で走攻守そろっている選手ですから、トリプルスリーも狙えそうですね」(プロスカウト)
そして同様に、俊足・強肩・好打と三拍子そろった大器と評判なのが小園だ。高校日本代表では、あの根尾を押しのけてショートのレギュラーをつかんでいる。「守備は超一流で、高校生とは思えないほど。ショートの守りだけなら根尾よりも上でしょう。広角に打ち分けるバッティングも絶品です」(前同)
打って守れる遊撃手は、プロでも貴重な存在。BIG3の中では、最もプロの1軍に近いようだ。「小園の評価は、すぐにでも1番・ショートを任せられる即戦力。スカウトの間では“立浪二世”なんて呼ばれていますよ」(同)
野手では他にも才能あふれる選手が!
野手では、この3人の評価が突出しているが、もちろん他にも才能あふれる選手はいる。
「即戦力としては、大学ナンバーワン外野手の辰己涼介(立命館大)。抜群の身体能力の持ち主で、外野が手薄なチームなら即スタメンを張れます。あと将来性で言えば、早実の野村大樹も面白い存在。あの清宮幸太郎(日本ハム)に4番を渡さなかった天才打者で、打撃センスはピカイチです」(前出のデスク)
持木編集長は、法政大の中山翔太を推す。「最近流行のぽっちゃり系スラッガー。三拍子そろった辰己選手とは対照的で、一芸に秀でたタイプ。フルスイングがもてはやされる“フライボール革命”の時代だからこそ、注目です」
さて、ここまでドラ1候補の“金の卵”たちを紹介してきたが、今年は即戦力投手か、超高校級野手か、チーム事情によって指名が二分しそうな気配だ。ただ、今年のドラフトは、例年以上に面白いものになりそうだという。
「今年は、一部の有望選手が特に際立っているのが特徴。ゆえに1位指名の競合が多く発生しそうなんですね。各球団の駆け引きが見どころで、競合を覚悟で指名したら単独だったとか、一本釣りのつもりが指名集中したとか、思わぬ展開もありえます。ハズレ1位まで目が離せませんよ」(スポーツ紙のベテラン記者)
将来のプロ野球界を背負う原石たち。運命のときは、もうすぐ!
(※引用元 日刊大衆)