広島が、FAで丸佳浩を奪った巨人から長野久義を獲得する痛快報復劇。硬軟自在の“赤ヘル商法”には脱帽するしかない。リーグ4連覇と35年ぶりの日本一のために「育成が間に合わない部分でもう1枚カードがほしかった」と松田元(はじめ)オーナー(67)が明かしている。
同じ外野手で3番を打てる長野の獲得で、丸流出のダメージが緩和されるだけではない。
日大時代に日本ハム、社会人のホンダ時代にロッテから指名されながら、2度とも入団拒否。初志貫徹で意中の巨人に入団した長野の流出には、巨人OB、ファンから厳しい批判が噴出している。広島にすれば笑いが止まらない展開だ。
長野はすでに3000万円増の来季年俸2億2000万円で契約を更改しているが、広島は丸の昨季年俸2億1000万円、現役引退した新井貴浩氏の昨季年俸1億1000万円などの分が浮くうえ、FA規定で人的補償(長野)に加え金銭補償(丸の昨季年俸額の50%=1億500万円)も受け取る。
「長野は海外FA権を保持しているから、来オフ巨人に出戻り移籍するかも」と懸念する声もチラホラ聞かれるが、そうなっても広島は困らない。巨人から再び人的補償を受ければいい。次こそ年俸の安い若手有望株を獲得する手もある。(江尻良文)
(※引用元 夕刊フジ)