神宮球場のオープン戦としては異例の「大入り袋」が関係者に配られた。ヤクルトが広島と7-7で引き分けた21日の一戦に、祝日とあって2万5421人が詰めかけた。
昨年3月18日のソフトバンク戦にも2万5137人が来場したが、同日は試合後に「出陣式」があり、ファンクラブ会員は招待券で入場できた。球団幹部は「実際に売れたチケットの枚数は比べものにならない。昔の記録は残っていないが、大入りが出たのは初めてだと思う」と証言。
1970年に入社した古参の営業担当者も「オープン戦でこんなに入ったのは見たことがない」と語っており、球団史上初のオープン戦大入りとみて、まず間違いない。
観客増に勝るものはないが、ヤクルト側の外野自由席は売れ残り、半数以上は広島ファン。スタンドが真っ赤に染まったのは皮肉だ。
近年は公式戦でも、広島ファンが神宮の一塁側まで押し寄せており、一昨年6月のヤクルト本社の株主総会で株主が「広島ファンのマナーが悪い。点が入ると立ち上がって歌って座らない」と訴えたほど。神宮のカープファン“占拠問題”は深刻化している。
前出の球団幹部は「ファンクラブに入ると、神宮での試合の先行発売を買うことができるので、カープファンでうちのファンクラブに入会する人が結構いる。でも、“入会するな”とは言えないし、一塁側で広島の応援をするなとも強制はできない」と頭を抱える。
この日は、田中、菊池、鈴木が欠場した広島に対し、ヤクルトはベストメンバーを組んだものの、開幕投手を務める先発・小川が初回に2点を先制されるなど5回3失点。
いったん打線が逆転したものの、4点リードの9回に抑えの石山が、相手のドラフト1位ルーキー小園にオープン戦2号2ランを浴びたのを皮切りに、堂林、バティスタに3者連続で被弾し、逃げ切りに失敗した。
ヤクルトは広島に昨年は6勝19敗、一昨年7勝17敗1分け、2016年は8勝17敗と3年連続で大きく負け越し。19日のオープン戦(神宮)も3-4で敗れており、スタンド同様圧倒されっぱなしだ。
(※引用元 夕刊フジ)